テキスト p59〜
ここでは、コリオリ力の効果について見てみます。
回転座標系(回転しているものの上)にいると、遠心力のほかにコリオリ力と呼ばれる見かけ上の力が働きます。この力によって、回転座標系の上でまっすぐ進んだつもりでも実際には曲がってしまうという現象が起きます。地球も回っていますので、地上に住んでいる私たちの身の周りでもこの力を受けて進路が曲げられていますが、その効果が弱いためになかなか目に見えません。
今回は、これを分かりやすく示してみようと思います。
下の図が、今回のシミュレーションです。回転している座標の上でボールをまっすぐ転がしたときの様子を考えています。具体的には、回っているレコード板の上でボールを転がすといったイメージです。
二つの座標が表示されていますが、左側が回転していない普通の座標(慣性系)から見た様子で、右側が回転している座標(回転座標系)の上から見た様子です。黒い座標軸が慣性系の座標軸で、青い座標軸が回転座標系の座標軸です。
ボタンが四つありますが、左からstart:シミュレーション開始、stop:シミュレーション停止、reset:最初からやり直し、go:ボールを転がす、となっています。startを押して、goを押すとボールが転がり始めますので、その様子を眺めてください。
左の慣性系から見た図では、ボールはまっすぐ進んでいますのでそのとおりまっすぐ進みます(小さい緑色の軌跡)。しかし、回転座標系に残された軌跡(灰色の軌跡)を見てみると、右に曲がった形の軌跡になっていることが分かります。回転の速さ、ボールのスピードは変えられますのでいろいろ試してみてください。
パラメーター | 説明 |
---|---|
w | 座標の回転角速度(単位rad/s) |
speed | ボールの速さ |