意見感想と回答

第3回 (10月29日)

今回は3人も出してくれた方がいました。 ご協力有難うございます。 ですが、今回は回答を書いてwwwに載せるのが遅れてしまいました。 申し訳ありません。 先週は家族がひどい風邪にかかり、それを看病しているうちに、 見事に私もうつってしまいました。 今回のように次の週までに回答がwwwに載らない場合もありますが、 いつか必ず、載せますので、これに懲りずにまた書いて下さい。

以下に質問の内容と共に皆さんの意見感想を書きました。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問1. 今日の授業でよく分かったことがあれば、書いて下さい。

意見感想:
相関関数の導入がわかりやすかった。
有難うございます。 かなり時間をかけ丁寧にやったためだと思います。 ただ、やっぱりいくつか落としている点があり、残念です。 特に静的ゆらぎの章でやったのに、ゆらぎとどういう関係があるのか、 いまいち分からなかったと思います。 すみません。

質問2. 今日の授業で分からなかったことがあれば、書いて下さい。

意見感想
<X(r)X(r')> = ρ2ΔV2 (1-δrr') +ρΔVδrr' から、
S(r;r') = limΔV→0 <X(r)X(r')> /ΔV2 = ρ22δrr' +ρδ(r-r')
この項 (ρ2δrr'を線で指して) は何故消えるのですか。

この点に付いては、「 反省 」にも書きましたが、講義の準備の段階では、 ρに比例する項にクロネッカーデルタが付くのに気が付きませんでした。 授業中に慌てて書き足したのですが、 極限を取った後に消えるのを充分説明出来ませんでした。 すみません。

さて、なぜ消えるかですが、 rr' がそれぞれ連続的に変化する場合は、 r=r' になることはほとんど無いので、無視しても良いのです。 それではデルタ関数の項はどうなるのだと言われると、 これは、その点で発散するため、考慮しないといけないわけです。 その違いは rr' で積分すれば分かります。 クロネッカーデルタの方は、何の寄与もしないのに対して、 デルタ関数の方は、ρだけちゃんと値を与えます。 あるいは、r=r'で、 発散するデルタ関数に比べクロネッカーデルタの方が無視できるといった方が、 分かりやすいかも知れません。


(授業中に書いた分布関数の図を書いて) 相互作用が考えられるときの分布関数はいつもこんな関数なんですか。 rによって相互作用が大きくなったり小さくなったりするんですか。

授業中に質問が出たように、分布関数の形は粒子の相互作用によって変わります。 ただ、粒子に大きさがある場合、つまりrの小さいところで大きな斥力が働く場合は、 それより大きいところで多少引力があっても、 分布関数の形はその引力によらないことが知られています。

また、分布関数の大小は、必ずしも相互作用の大小によりません。 分布関数の値が1からずれているのが、粒子どうしの相関を表しているのですが、

rが大きくなって相互作用が0になっても相関はなくなりません。

この事は重要な事なのでよく理解して下さい。 粒子に大きさがある場合、だいたい直径の整数倍の所に、別の粒子が来やすく、 正の相関が現れます。 また、その間には粒子は来にくく、相関は負になります。 したがって、分布関数は波うつ事が多いのです。

質問3. その他、感想や意見があれば、書いて下さい。

意見感想:
第1回目のプリント余っていますか?
余っているので、今度の授業に持っていきます。 1回目に限らず、プリントはいつでも部屋に取りに来てくれれば、渡せます。 余っていなくても原稿はありますので、その場でコピーします。 部屋までくるのが面倒であれば、授業の時に言って下さい。 次の時間に持ってきます。
熱力学の第2法則と完全結晶の存在が矛盾するとはどういう事ですか。
これだけではよく分かりませんが、一見矛盾しないように見えます。 ただ、閉じた系ではエントロピーは増大するしかないので、 そういう意味ではエントロピーの大きい気体や液体から、 エントロピーの小さい結晶になる事は出来ません。 ただし、どこか熱を捨てるところがあれば、話は別です。 温度の低い熱浴を持ってくれば、結晶化させる事は出来ます。

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