質問と回答 (採点対象)

第1回 (10月11日)

今年度は、 単に質問を授業に役立てるだけでなく、 採点をして成績評価の対象にする事にしました。 今回は、1人の方が質問をしてくれました。

以下に質問の内容と採点結果を書きました。 ただし名前は書いてありません。 ホームページで公開不可と書いてなかったので公開します。 (間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問. (採点結果: 20点)

時間おくれの応答について、時間おくれがある時には、 線形応答の式は、
x(t) = ∫-∞tdt'α(t-t')f(t')
と表せ、応答x(t)は、∞の過去から、 現在の時刻tまでの外場fにおもみαをかけて足し合わせたものに なるという説明でしたが、講義の時に、 時間おくれの応答の例として示された図

では、時間おくれの応答は、遅れていない場合の応答を、 単に平行移動したのみで、 すべての過去の応答を足し合わせている様には見えませんでした。 これは、たまたま、そうなる例を図にしたものなのですか、 それとも、現実の系では過去のすべてを足し合わせても図のように、 おくれのない応答を、 平行移動しただけの様な応答になってしまうという事なのですか。

なかなかポイントを突いた良い質問だと思います。 時間おくれの応答は、だいたい理解しているのが分かります。 この部分は、この日全体の1/3ぐらいの内容を占めていたので、 20点を付けました。

授業で説明した例は、 おもみα(t)が 0でないある時間にピークを持つような場合だと考えて下さい。 理想的には、デルタ関数で表される状況です。 その場合には、計算すれば分かりますが、 マイナス無限の過去から積分しても、応答は平行移動になります。 これは、授業でやった例でいうと、飛行機の音に対応します。 音が伝わるのに時間がかかりますが、その時間になると必ず到達するので、 聞いている人は平行移動で聞こえます。

授業で説明した時は、そこまで考えていませんでした。 したがって、説明不足でした。 申し分けありません。



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