この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ガイダンス P6を見て下さい。
回答が遅れて申し訳ありません。 これに懲りずにまた質問して下さい。
ホームページで公開不可、とは書いてなかったものを、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上は私の回答です。 また、提出したのに、載っていない、あるいは、メールで回答が来ていない人は、 連絡して下さい。 採点されていない可能性があります。
ご本人の希望で各質問について採点結果を付けました(2006年1月15日)。
質問 1. (採点結果: 25点)今回理解した事(略) 確かに、理解した事が分るように質問して欲しいと言いましたが、 質問と別に理解した事をまとめなさいと言ったわけではありません。 あくまでも質問の内容で理解した事が分るように書いて下さい。 もちろん、書いてもらっても構いませんが、この部分は採点の対象にはなりません。 <質問1> P=f(E)を、Eを充分小さいとして、1次まで展開しましたが、 この展開は電場のような力学的な"場"で表現できるものに限るのでしょうか? 例えば、熱浴から与えられる熱の表現で、 僕は、1度もテーラー展開を使った事がありません。(0点: 採点基準 2) 線形応答自身は、力学的な外場に限定されません。 質問にあるような熱力学的な外場を考える事も出来ます。 実際、小田垣先生のグループでは、温度を外場と考え、 内部エネルギーの応答を調べています。 その場合、比例係数は比熱になりますが、授業で説明したように、 応答に時間遅れがある時、「複素比熱」というものも扱います。 問題になるのは久保公式で、 授業で説明したように、ここで「久保公式」と呼んでいる公式は、 外場が力学的なものでしか成り立ちません。 熱力学的な外場に対しても、似たような公式が成り立ちますが、 授業で説明したものとは別物です。 ただし、上で書いたように温度を外場にして、エネルギーの応答を見る場合、 ここでやったのと同じ仮定で証明できる事が分っています。 <質問2> 線形応答の式の積分範囲[マイナス無限,t]の、 マイナス無限大から積分する理由が分りません。 t=0 は何を現しているのでしょうか?(5点: 採点基準 2) 授業で説明した式は、一般的な式でいろいろな場合を含めて書いています。 つまり、外場がマイナス無限大からかかっている場合も含むように書いています。 もちろん、そんな昔ではなく、途中の時間 t0 からかかる場合もその式でOKです。 その場合は、t0 より前の時間の外場は 0 とおけば、 その式がそのまま、何の変更もせずに成り立ちます。 式の中では t=0 は何も表していません。 (0点: 採点基準 2) 「時間間隔」の意味がよく分かりませんでした。 すみません。 「遅れの時間間隔」というのは、外場が未来に影響を及ぼす時間範囲でしょうか。 つまり、その時間より以前の外場は現在には影響しないという時間でしょうか。 でもそれならば、「間隔」とは言わない気もするし、よく分かりません。 「積分するときの時間間隔」は、もっと分らなくて、 「平均をとる時の時間間隔」もやっぱり分りません。 (5点: 採点基準 2) 線形応答の式、たとえばプリントの「授業ノート1」の(1)式(宿題3)で、 アルファーが t-t' の無限大で 0 になれば、外場が 0 にならなくても、積分は、収束します。 これは、昔の影響はいつまでも残っておらず、いずれは消えてなくなる事を表しています。 したがって、マイナス無限大から外場がかかっていても、 そんな昔の外場は現在には影響しません。 (10点: 採点基準 2) この部分は、あまり厳密に議論しなかったので、誤解を招いて申し訳ありません。 ちょっとwwwでは説明しづらいのですが、電場 E(t) は、本来は連続的な関数で、 質問の紙に書いてもらったような、いくつもの山が連なっているようなものではありません。 連続的な関数を重なりがないように dt の幅で分割するという事です。 dt が小さければ、その影響も小さくなるので、正確には、 α(t-t')E(t')のあとに dtをかけて、α(t-t')E(t')dt とするのが適当です。 そうしておけば、dtの 0 の極限で分割数も無限大になり、積分になります。 いずれにしろ、最初の分割を重ならないようにすれば、問題ありません。 「積分範囲が納得しません」は、質問 2 の回答で良いでしょうか。 <質問6>(5点: 採点基準 2) これは良い質問ですね。 平均の定義を説明しなかったので分りにくいと思いますが、 例えば難度も測って平均を取るとします。 つまり時刻 0 を決めて、そこから P(t) を何回か測って得たデータを使って、 P(t)P(0)の平均を計算するという事です。 ちょうど10月21日に説明したやり方です。 i番目の測定の結果をPi(t)として、M 回測定したとすると、 φ(t) = <P(t)P(0)> = ΣPi(t)Pi(0)/Mこれを微分すると、 dφ(t)/dt = (d/dt)<P(t)P(0)> = (d/dt)ΣPi(t)Pi(0)/M一方、(dP(t)/dt)P(0)の平均は、 <(dP(t)/dt)P(0)> = Σ(dPi(t)/dt))Pi(0)/M両者が同じ事はすぐ分ると思います。 (0点: 採点基準 2) 比例係数が、大きければ、外場が小さくても応答が大きくなる事はあります。 したがって、原理的にはそういう理解で、応答がマクロになる事が理解できます。 しかし、現実には、係数が大きなくて、外場が普通の意味で「大きい」場合でも、 線形応答が成り立っていることがあります。 つまり、外場の2次以上の項が無視できるという事と、外場が巨視的なぐらい大きいと言う事は、 矛盾しないという事です。 「大きい」とか「小さい」とか言うときは、何に比べてが重要だということなのです。 線形応答が成り立つ「小さい」外場というのは、2次以上の項が無視できるぐらい、 小さいという事で、「マクロ」と言えるぐらい「大きい」というのとは、基準が違います。 それにしても、「マクロ」と言えるぐらい「大きく」ても線形応答を満たすほど「小さい」のは、 不思議ですね。 それは、まだよく分っていないのだと思います。 この日のポイントは、全部で 5 個ありましたので、一つあたり 20 点の計算です。 7 つの質問のうち、<質問2>と<質問4>と<質問5>が 3 番目と関係して、 線形応答の式はほぼ分っていると思えるので、 20 点、 <質問6> は、最後のポイントと関係していますが、これ1つしかないので、5点としました。 |