意見感想と回答

第2回 (5月2日)

今回は授業後2人の人が出してくれました。 授業を少し早く終わったのが良かったのでしょうか。 次回からも出来るだけ5分前に終わらす様にします。

以下に質問の内容と共に皆さんの意見感想を書きました。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問1. 現在の所属と大学院でどういう事を研究しているか 簡単に説明して下さい。

意見感想:
量子プロセス本庄研所属
DLAの成長プロセスを異状拡散の方面からアプローチしています。

この人も前回に続き、所属を細かく書いてくれました。 どうも有り難う御座います。 DLAというのは、Diffusion-Limitted Aggregationのことだと思いますが、 異常拡散でアプローチするとはどういうことなんでしょうか。 いずれにしろ、この人は結晶成長を身近に感じると思いますので、 授業で結晶成長を例として挙げる様、努力してみます。


意見感想:
総合理工学府量子プロセス理工学 非線形物性研究室.
Dendritic pattern in phase field method.

この人も細かく書いて頂いて、どうも有り難う御座いました。 次回からは、研究科と専攻だけで良い様に、設問を変えます。 Dendritic pattern in phase field methodとは、 何のことか私には良くわかりませんが、 前の人と同じ研究室のようですので、やはり結晶成長が身近でしょうか。 結晶成長で例が作れるか考えてみます。


質問3. 今日の授業で分からなかったことがあれば、書いて下さい。

意見感想:
○ スチルベンの異性化にRandom force が何の影響で発生するのかがよくわかりません。 分子サイズの物質に水分子が衝突して、 軸の回転力がランダムに生じるものなのでしょうか?
○ Fokker Planck eqの導出

最初の質問はおそらく、大きさがあまり変らないものが及ぼす力は、 ランダム力と見なせるのかということだと思います。 実は説明不足で申し訳なかったのですが、 スチルベンは水分子よりずっと大きいです。 まわりからの影響がランダム力と見なせるかどうかは、 大きさの違いだけではなく、正確には時間スケールの違いが重要です。 一般に大きいものほど動くが遅く、小さいものほど動くが速いので、 大きいものに小さいものがぶつかる時、 ランダム力と考えられる場合が多いです。 スチルベンの場合は、異性化のキーポイントとなる2重結合まわりの回転は、 溶媒分子の運動に比べ、十分遅いと考えられるので、 ランダム力と見なせます。

この質問はとても良い質問です。 採点を希望されたら、10〜15点はつくと思います。 ランダム力がどういうものかよく理解されているのが分かります。

2つめの質問は、今回は時間がなくて最初の部分しか説明出来ませんでした。 次回を聞いて、まだ分からなければ、もう1度聞いて下さい。


質問4. その他、感想や意見があれば、書いて下さい。

意見感想:
dV/dt = γV +R(t)
黒板で書かれた時、定数γなのか 偏微分∂なのかが、すぐにわかりませんでした。

これは、申し分けありませんでした。 これから気を付けます。 また、ちょっと分かり難いなと思ったら、直ぐに言ってもらえると、 嬉しいです。


意見感想:
現在の研究、 Phase Field Methodに熱揺らぎの項を取り入れようと思っています。 ランジュバン方程式のRandom forceが他の式に加わる際、 どのようなモデル化ができるかを詳しく知りたいです。

Phase Field Methodがどの様なものか分かりませんが、 時間微分を含むたいていの場合は、 ランジュバン方程式の形に書けると思います。 ただし、授業で扱ったのは、左辺にランダム力が単純に足される場合で、 これが最も簡単で、数学的にも扱い易いです。 ランダム力にX(t)の関数が掛け合わされる場合もあり、 この場合は数学的に少し面倒な場合があります。 しかし、この形の確率微分方程式は、 最近は経済その他で盛んに研究されています。

他にはランダム力のモデルが違う場合が考えられます。 他の時間と相関がある場合は、授業の最後で扱う予定です。



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