2003年度 前期 大学院非平衡物理学

アンケート(その二)の結果

今回は、このアンケートの他に教育課程委員会のアンケートもあり、 協力して頂いた皆様は大変だったと思います。 有難うございました。

以下に示すアンケートの結果は、8月12日現在の結果です。 まだ、締め切っていないので、提出されていない方は、 どんどん提出して下さい。

集計結果の後に下線を引いてコメントを書きました。 その下に書いてあるのは、アンケートにあった意見です。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。

1. 所属している専攻(回答者数 7)

1:凝縮系科学(物理) 2:凝縮系科学(化学) 3:基礎粒子系科学 4:理学研究科のその他の専攻 5:その他の研究科
5 0 1 0 1

5:その他の研究科: 総理工 大気海洋循環システム学専攻

最後の授業は結局7人の方がアンケートに答えてくれました。 他の大学院の授業では、 もっとたくさんの人が最後まで出席していると聞いて、少しショックです。 人数が少なくなるのは、毎年のことなので、あまり気にせず、 他の授業もそんな風なのだろうと思っていました。 しかし、途中でやめるのはそれなりの理由があることが、 アンケートの結果から分かります。

しかし、総理工の人が聞きにきてくれたのは嬉しいです。


2. 講義のレベル(回答者数 7)

1:前半に比べ簡単になった。 2:前半に比べ難くなった。 3:前半と同様に少し難しい。 4:前半と同様に適当。難しすぎる。
1 2 2 2

票が割れましたが、「2:前半に比べ難くなった。」 と「3:前半と同様に少し難しい。」を合わせると4人になり、 半分を越えます。 結局、前半のアンケートに現れていた「少し難しい」のは、 まったく解決されなかったことがわかります。 出席する人が減るのはこの辺に理由があるのかも知れません。 特に後半内容をもっと精選して詳しく説明できるようにすべきでした。


3. 講義の進度と内容(回答者数 7)

1:前半と比べゆっくりになった。 0
2:前半より速い。 0
3:前半と変らない。 6
4:もっとゆっくりして欲しかった。 1
5:速くして内容を多くして欲しかった。 0

ほとんどの人が「3:前半と変らない。」を選んでくれました。 前半のアンケートは「進度内容ともに適当。」が多かったので、 後半も適当だったといえます。 ただし、1人だけ「4:もっとゆっくりして欲しかった。」がいたことと、 前の質問でレベルが難しいという結果だったので、 内容は減らす方が良いようです。


4. 計算の詳細 (回答者数 7)

1:宿題にまわす量が多すぎた。 3
2:もっと宿題にまわしても良い。 0
3:宿題にまわしたもので難しいものがあった。 0
4:適当。 4

「1:宿題にまわす量が多すぎた。」が「4:適当。」に迫る勢いで、 もう少しで過半数です。 特に最後の森理論がひどかったかもしれません。 その辺にも難しいと感じる理由があるのでしょう。


5. プリント (回答者数 7)

1:図が前半より減った。 0
2:図の量は前半と同様適当。 3
3:もっと図が多い方が良かった。 0
4:説明が前半より増えた。 1
5:説明がまだ少し足りない。 4
6:説明がまだ全然足りない。 0
7:説明は前半と同様適当。 1
8:プリント類は問題ない。 1

「5:説明がまだ少し足りない。」が少し目立って半数越えています。 前回のアンケートでこれを問題にした人達は、 全体の4分の1足らずでしたが、 今回詳しく聞くとやはり説明があった方が良いようです。 去年よりだいぶ増やしたつもりですが、まだ足りないみたいです。 しかし、たくさん載せるとプリント自体が多くなってしまうので、 その加減がなかなか難しいところです。


6. 各講義について

1:とても難しい 2:難しい 3:適当 4:簡単 5:簡単すぎた 6:興味が持てた 欠席
5-1. 線形応答 (時間遅れの式、物理的な意味) (5/29,6/5) 0 1 2 2 0 0 2
5-2. 線形応答 (パワーロスとクラマース・クローニッヒの関係式 ) (6/5,12) 1 1 3 0 0 1 1
6. 久保公式 (6/12,26) 0 2 2 0 0 1 3
7. 輸送方程式 (6/26,7/3) 0 3 0 2 0 1 1
8. 時間反転対称性 (7/3,10) 0 3 2 0 0 0 2
9. オンサーガーの相反定理 (7/10) 1 1 2 0 0 1 3
10. ブラウン運動の微視的導出(森理論) (7/17) 2 3 1 0 0 1 0

「10. ブラウン運動の微視的導出(森理論)」が難しかったようです。 これは毎年難しいという結果なので、工夫が必要です。 他の大学では森理論を教えているところは少ないので、 その意味では重要度は低いと考えられるのですが、 せっかく九州大学の大学院にいながら、 森理論を勉強する機会がないのは、やはり寂しいと思います。 しかし、90分で全部説明するのは難しく、 授業を2回以上取りたいのですが、全体のスケジュールから出来ません。 とにかく今のままでは消化不良なので、 1変数の場合に限るとか、内容を減らして説明するしかないようです。

「5-2. 線形応答(パワーロスとクラマース・クローニッヒの関係式)」 も、「1:とても難しい」が入っていました。 実は、去年も「1:とても難しい」を選んだ人がいたので、 この部分は分かりにくいようです。 パワーロスの説明が悪くてごちゃごちゃしたのが原因かも知れません。 それとも、クラマース・クローニッヒで使った複素積分が、 駄目だったのでしょうか。

「9. オンサーガーの相反定理」は、毎年懸案なのに、 去年は割とうまく言ったので、油断しました。 しかも去年のアンケートには時間配分の反省もあったのに、 まるで生かされていません。 学期が始まるときに個々の内容についても、 アンケートで書いたことをまとめておくべきでした。 しかし、今年は「8. 時間反転対称性」も簡単だったわけではないので、 8を減らして9の時間を増やすよりは、別の工夫が必要かも知れません。 式変形を宿題にまわしすぎたのが問題だったのでしょうか。


7. 説明 (回答者数 7)

1:後半わかりにくかった。 1
2:少しわかりにくかった。 2
3:普通。 1
4:わかりやすかった。 2
5:前半に比べ概念的な説明が増えた。 0
6:まだ概念的な説明が不足。 0
7:前半に比べ物理的な意味が分かりやすい。 4
8:まだ物理的な意味はわかりにくい。 0
9:前半より流れが分かりやすくなった。 1
10:まだ流れが分かり難い。 0
11:前半より声が大きくなった。 0
12:まだ声が小さい。 2

「1:後半わかりにくかった。」と「2:少しわかりにくかった。」 をあわせた人数と「3:普通。」と「4:わかりやすかった。」 が同数でした。 これは、1回目のアンケートに比べ、 説明が分かりにくくなっていることを示しています。 後の設問については肯定的なので、どの辺が分かりづらかったか、 難しいですが、レベルが難しいことと関係があるかも知れません。

「7:前半に比べ物理的な意味が分かりやすい。」が半数越えました。 前半のアンケートを取った後、 授業の半分の時間を説明に費やすようにしたので、 それが良かったのかも知れません。 はじめからそうやれば良かったです。

「12:まだ声が小さい。」が2人いました。 声の問題はときどきあるのですが、余り気を付けていませんでした。 すみません。 本当は、大事なところは大きい声で、めりはりをつけると良いのですが、 いざ授業中は緊張してしまって難しいです。


うしろにすわってるせいかもしれません。

この方は、「12:まだ声が小さい。」 に丸を付けてコメントしてくれています。 当然のことながら、 後ろの席でも聞こえるように声を出さなければいけないわけで、 まったく私の責任です。 どうも申し訳ありませんでした。


8. 板書 (回答者数 7)

1:前半より少なかった。 4
2:前半より多かった。 0
3:前半と同じ。 2
4:もっと少なくして欲しかった。 0
5:もっと多くして欲しかった。 1
6:分割を八より多くして欲しい。 0
7:八より少なくして欲しい。 0
8:八分割で良い。 2

「1:前半より少なかった。」が半数を越え、 「5:もっと多くして欲しかった。」が1人いるので、 少しプリントが多すぎたのかも知れません。 実際プリントが長く続くと寝ている人が増えるので、 適当に板書を混ぜる方が良いみたいです。 20分か30分くらいプリントをつづけたら、板書を混ぜると、目が覚めます。


9. 宿題(回答者数 6)

1:宿題は難しかった。 3
2:少し難しかった。 2
3:簡単だった。 0
4:配点が低い。 0
5:配点が高すぎる。 0
6:もっと問題を増やして欲しい。 0
7:問題が多すぎる。 0
8:現状で良い。 3

ほとんどの人が「1:宿題は難しかった。」と「2:少し難しかった。」 を選びました。 だいたい宿題は、20点問題が基本で、授業を真面目に聞いていれば、 普通に出来るような問題のつもりでしたが、難しかったでしょうか。 もっと点数の低い問題を多くすると良いかも知れません。


あまりやっていないです。

授業を受けてくれた人の中には単位の不要な人もいるので、 この人もそうなのでしょう。 もちろん、宿題を一生懸命解いてくれる方も嬉しいですが、 単位と関係なく授業を聞きに来てくれる人も嬉しいです。


10. 質問 (回答者数 6)

1:採点が厳し過ぎた。 0
2:採点は甘すぎた。 0
3:一回に百点は多過ぎた。 0
4:もっと点は高くして欲しい。 0
5:締め切りが早すぎた。 2
6:問題無かった。 4

だいたい「6:問題無かった。」ようですが、 2人「5:締め切りが早すぎた。」を選んだ方がいました。 質問の締め切りは1週間にしましたが、2週間の方が良かったでしょうか。


しつもんしていません。

質問は、結構大変なので、今回配点を高くしたのは正解だったようです。 質問を1問解くことを必修にしたこともありましたが、 評判が悪かったので止めました。 質問しなかった人は宿題だけで単位を取れるようにするのが良いようです。


11. 講義をする上で前提として欲しくない知識 (回答者数 7)

1:平衡系の統計力学 2: 量子力学 3:解析力学 4:数学 5:必要ない
0 0 0 1 6

今回ようやく質問の意図が分かってくれたような気がします。 もっとも前回も分かっていて、 勝手に分かっていないと思い込んでいただけかも知れません。 とにかく、今回は、「4:数学」が1人いるだけで、あとは、「5:必要ない」 でした。


12. ホームページ(回答者数 7)

1:見た事が無い。 0
2:時々見た。 4
3:頻繁に見た。 3
4:プリントのPDFファイルは頻繁にダウンロードした。 2
5:プリントは時々ダウンロードした。 2
6:ダウンロードした事がない。 1
7:アンケートの集計結果は見た。 3
8:アンケートの集計結果は見なかった。 0

最後まで残ってくれた人はさすがにホームページを見るのですね。 「3:頻繁に見る。」が3人もいます。 PDFをダウンロードする人も結構多くて、割合的には前半より増えました。 「8:アンケートの集計結果は見なかった。」人はいないようなので、 安心しましたが、「7:アンケートの集計結果は見た。」 人は3人しかいないので、あとの4人はどちらなのでしょうか。


12. 総合的に (回答者数 7)

1:非常に不満 2:不満 3:まあまあ 4:満足 5:非常に満足
0 1(14%) 0(0%) 3(43%) 3(43%)

「4:満足」と「5:非常に満足」の合計は、86%で過去最高です。 しかし人数が少ないので、前半とは比べられません。 後半に取ったアンケートでは、2001年度から毎年上がっているので、 最後まで残ってくれた人には工夫が実っているようです。 ただし、今年は「2:不満」が1人でました。 この原因は、今までコメントしてきたアンケート結果にすで現れていますが、 最後にまとめると、

となります。 まだ不満はあると思いますので、上に挙がっていないことは、 直接言いに来て下さい。 うまい授業が出来なくて、どうも申し分けありませんでした。



感想、意見、希望など

最初の概念的な説明で、なんとなくわかるのですが、 最初の説明をもう少し短くして、 やっぱり具体的に少し計算していただいた方がたすかります。
これは、やはり最後の授業がいけなかったんだと思います。 去年は具体例が足りなかったので、今年は無理に入れたのですが、 ほとんど計算せずに結果だけで説明したので、 具体例の意味が無かったようです。 申し分けありません。 おそらく内容の説明は適当に宿題にまわすのが良くて、 具体例を少し詳しく計算するのが良いと思うのですが、如何でしょうか。
おつかれさまでした。 準備がしっかりしてある、よい授業だと思いました。
有り難う御座います。 何だかんだ言っても結局私は授業をするのが下手なので、 周到な準備をしないとうまくいきません。 それでもうまくいかないことが多いです。 ただ、ここで皆さんに少し言っておきたいのは、 授業料を払って講義を受けるのに、 どうすればよい授業になるか、先生任せにするのではなくて、 皆さんも、考える方がよいと思います。 あらゆる意味で能動的な方が授業料の元手が取れると思うのですが、 どうでしょうか。

最後まで講義を聴いて頂いて有り難う御座いました。 この講義は1999年から始めて5回目になりますが、 なかなかうまくいきません。 いろいろ不満もあったと思うので、最後にまとめてお詫びしておきます。 すみませんでした。 また、非平衡物理については、 講義扱わなかった面白い話題は山のようにあります。 興味のある方は、研究室に遊びに来て下さい。 午後3時ならば、コーヒーをご馳走します。




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