質問と回答 (採点対象)

第4回 (11月2日)

この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ここを 見て下さい。(PDF)

せっかく質問して頂いたのに、回答が遅れて申し分けありません。 時間はかかっても必ず回答するので、これに懲りずに質問質問して下さい。

授業は、すでに後3回しかありませんが、 質問はこれだけです。 寂しいので、もう1つぐらいして下さい。

ホームページで公開不可、とは書いてなかったので、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問. (採点結果: 20点)

板書では
・ <ΔW2>=DΔtについて (この後板書が続くが略)

1. 図1 となっていた絵は、ΔWをその前の式 ΔW = t+ΔttR(t')dt' から判断するとちょっと違っていて、 ---> 図2 ということですね。
---> 書き忘れましたが、縦軸 R(t) とすればの話です。
*なんかすこしこまかいことに対する質問ですみません。

2. 次に
<ΔWiΔWj>=0 i≠j となっていましたが、 ΔWiとΔWj に相関がないことはわかるのですが、そのあとの <ΔW2>=d を使うまでのどこで <ΔWiΔWj>=0 は使う必要があるのですか? つまりは、ΔW2の平均をとると d になりますということだけではいけないのですか?

さらにいえば、ΔW2の平均が d という仮定だけでいいなら、ΔWi と ΔWjの相関があってもいい、 (というか、R(t) の定義より相関が無いのですが ---) のではないのでしょうか? ここらへんが、いろいろ交差してしまって??

質問がみえにくいのでまとめると、
ここで <ΔWiΔWj>=0 の議論の必要はないのではないでしょうか? これをもちだした理由を知りたいのです。

自分なりに、理由をいろいろと考えてみたのですが ---

11/1のプリントの(3)式
f(x(t+Δt)) = f(x(t)) +df/dx|X=X(t){F(X(t))Δt +ΔW} +1/2d2f/dx2|X=X(t){F(X(t))Δt+ΔW}2 +ΔXの 3次以上の項
の平均をとる操作のときに第3項目で、(7)式や(8)式にいく前に、
1/2<d2f/dx2|X=X(t) {F(X(t))Δti+ΔWi}{F(X(t))Δtj+ΔWj}>
として平均をとるというときに <ΔWiΔWj>=0 を使って(7)(8)へいって(9)へという流れで計算されていると思うと "<ΔWiΔWj>=0 をもちだした"という点は納得できますが、 何か上の計算の式変形に疑問が残ります。

板書では、
<ΔW2>=d
d がΔt に比例することを説明する。
時間の区切りを n 倍する。
(図省略)
n=3
Δt -> δt <δWk2> = nd (宿題) n <- Δt が何個入るか?
つまり、<δWk2> ∝δt

3
このことを次のように理解してみたのですが、 誤解があれば、指摘して頂けませんか?

まず、すこしあいまいだったので、記号の定義の確認から入ります。

X(t): 考えているものの座標
F(X(t)): X(t) で物体に加えられている"ランダムでない (連続的な?)力"
ここからがすこしあいまいだったのです。
R(t): 時刻 t でのランダム力
W(t): 時刻 t でのランダム力のポテンシャル
ΔW(t): 時刻 t でのランダム力
ここで R(t) と ΔW(t) の違いですが、
ΔW = t+ΔttR(t')dt' より、
R(t): 時刻 t ちょうどのランダム力
ΔW(t): 時刻 t から時刻 t+Δt までに加えられた、 ランダム力の"正味の量"
というところでしょうか。(図省略)
と、すると、R(t) の「何」を許すかということにもよるのですが、 ΔW(t)が正味の量なので、おそらくいきなり
X'(t) = F(X(t)) +R(t)

ΔX(t) = F(X(t)) +ΔW(t)
としてもいいと思うのですが --- (図省略)
*こまかいようなことをいう質問で申しわけありません。

で、話は続くのですが、
上の定義で言うと、ΔW(t)は微小区間 t, t+Δt では、連続? ということだと思うのです。
---> この議論じたい、なんの意味ももたない議論なんですけど ---
微小区間がかぶったりするといろいろ問題も? (図省略)
--- (中略) ---
というところまでは理解できていると思うのですが 問題は次のことです!!
<δWk2> = nd いま n = 3
つまり
図3
<ΔWk2> = d で <δWk2> = nd となるのがわかりません。
・仮定がどのようにきいているのでしょうか?
--- (中略) ---
・グラフなどをもとに考えることが間違っているのですか?

途中、板書をそのまま写してある部分とか、 良く分からなかった部分は、略しました。

まず、1ですが、これはまったくそのとおりです。 ただし、R(t)は発散する量なので、それが嫌な人は、 R(t)は考えずにW(t)から考えると良いでしょう。

2 は、ΔWiとΔWj に相関がないことは、d がΔt に比例することを示すときに使います。 これは授業でもう少し詳しくやれば良かったのかもしれませんが、 皆さんにやってもらおうとして宿題にしました。 宿題11をやって下さい。 また、この仮定を使わないとどうなるかは、宿題13になります。 とにかく、d がΔt に比例するのが、 FP方程式を導くときのポイントなので、重要です。

3 は、話がややこしいですが、順に考えていきましょう。 まず、記号の定義ですが、X(t)は一応座標に限定せずに、 不規則に運動する変数ならどれでも表せるように考えています。 例えば、熱雑音の回路では、コンデンサーにたまる電荷を表します。 ただし、以下では分かりやすいように X(t)を運動量として、 話を進めましょう。 したがって、F(X(t))やR(t)は、力になります。 W(t) は、授業では出てきていないと思うのですが、どうでしょう。 R(t) と ΔW(t) の違いですが、R(t)は力であるのに対し、ΔW(t)は力積です。 "正味の量"が何を指しているのかわかりませんが、 R(t)は発散する力がパルス上にくるので、 ΔW(t)は、t から t+Δt まで、そのパルスが何回来るか、 その本数を表します。

ΔX(t) = F(X(t)) +ΔW(t)
は、次元があいません。 ΔX(t)は、運動量の次元ですが、F(X(t))は、力です。 ただしくは、
ΔX(t) = F(X(t))Δt +ΔW(t)
です。

ΔW(t)は t に対して不連続です。 上でも言いましたように、ランダム力 R(t) は、発散するパルスのようなもので、 ΔW(t)は、それを t から t+Δt の区間で積分したものです。 もし、どんな t でも t から t +Δt の区間にパルスが 1個だけ含むときは、 ΔW(t)は連続になりますが、 t によってはそうならない場合も出来てきます。 たとえば、区間に 1つもパルスが含まれていなければ、 その t では、ΔW(t)は 0 です。 パルスを含むかどうかは、t を動かしたときに、 徐々にではなく急に変るので、ΔW(t)は不連続になります。

最後に <δWk2> = nd ですが、 この辺から質問が分かりにくくなって、良く理解できないので、 うまく答えられないかもしれません。 ごめんなさい。 とりあえず、<ΔWk2> = d と <δWk2> = nd の違いをグラフを使って説明すれば、 良いでしょうか。

まず、書いて頂いた 図3 は、だいたい良いのですが、ΔWk2 と δWk2 が一緒に書いてあるので、 これを分けることにします。 ΔWk2は、
図4
となります。 グラフの値を読み取ると、3, 5, 2, 2, 3, 2, 5, 2, 3, 5, で、平均は 3.2 です。

δWk2 は、n を 2とすると、
図5
となります。 これは、 図4 を2つずつ組にして足し合せてつくります。 グラフの値を読み取ると、8, 4, 5, 7, 8, で、平均をとると、ちゃんと 6.4 = 3.2かける 2になります。

ただし、ここで平均は、時間平均にしましたが、 授業では、サンプル平均で定義したので注意して下さい。

採点は、2-2. は 4つのポイントを 2回に分けてやったので、 ポイント 1つあたり、50点になります。 この方は、2番目のポイントの 4割ぐらい理解していることが分かったので、20点にしました。


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