第13回 (1月25日)



やった事

5. ブラウン運動の微視的導出(森理論)
(1) はじめに
(2) 射影演算子
(3) 一般化されたランジュバン方程式の導出
(4) マルコフ近似
(5) まとめ

目標

射影演算子の方法を、閉じた系で 線形ランジュバン方程式を導くことにより理解する。 具体的には以下のことを分かる。

反省

復習をしてもらいましたが、やはり前回の授業の速度が速かったのか、 分かりにくかったようです。 すみませんでした。 今回やったところは今までのところと、一応独立しているので、 復習は要らないかな、とも思ったのですが、皆さんの理解度が分かるので、 やってもらって良かったです。

最後に時間が余ってしまい、もったいなかったです。 足りなくなるよりは、ずっとましですが、時間が余った時に何を話すかよく考えておくべきでした。 余分の話は分かりにくかったと思います。

森の理論は、式の洪水に溺れないように出来るだけ直感的に、物理的に理解できるよう、 努力したつもりです。 それが射影演算子ではうまくいったと思うのですが、如何だったでしょうか。 それなりに視覚的に説明できたと思っています。 しかしながら、森の理論のポイントになる後の2つの点については、 式変形すらも省略してしまい、分りにくかったと思います。

1つめは(10)式で、これは森理論の着想の大事な定式化の1つですが、 何にも分らなかったですね。 式変形はおそらく宿題で良いのでしょうが、物理的な意味を説明すべきでした。 何か、視覚的に説明して、理解を深めるべきでした。

もう1つは(16)式で、これも森理論の大事な骨組みですが、 まったく説明しませんでした。 これも、数式での導出は宿題にしておいて、その物理的な意味を説明すべきでした。 特に、2項目のランダム力になる項は、時間変化が速いことを説明すべきでした。

(16)式をきちんと説明しなかったので、(4)マルコフ近似が分りにくかったと思います。 M(t)がなぜ速いか、ちゃんと説明しないと射影演算子法が何をやっているのか、分りません。

具体例をやる方が良いとは思いますが、とにかく時間がないので、 去年は定式化をほとんど宿題にまわして、例をやりました。 しかし、その方が逆に分りにくかったようです。 むしろ、限られた時間では今年のように定式化をきちんと説明する方が良いようです。 ただし、もっと工夫して、式変形で説明するより、図や絵を使って視覚的にして、 式変形の物理的な意味を明らかにするのが最も良いと思います。



半年間最後まで聞いて頂いてありがとうございました。 特に今年は1限で朝早くからご苦労様でした。 非平衡物理を少しは楽しんでもらえたでしょうか。 私もこの講義を何回も担当していますが、ちっともうまくなりません。 もう少し上手に講義できれば、非平衡物理の面白みがもっと伝わったと思います。 すみませんでした。


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