第10回 (6月26日)



やった事

6. 久保公式と揺動散逸定理
(3) 具体例 (続き)
(4) 物理的な意味
7. 輸送方程式(不可逆過程の現象論)
(1) 7〜9の流れ
(2) 輸送方程式
(3) 数学的な性質 (途中)

目標

輸送方程式に付いて式の形と何に使えるか理解する。 また、式の持っている物理的な意味も理解する。 具体的には以下のことを分かる。

反省

前半の アンケート で「物理的な意味をもっと説明して欲しい」という要望が多かったので、 (5)では久保公式の仮定を詳しく説明してみました。 仮定の意味を知ることにより、 少しでもイメージをつくろうというねらいしたが、 どうだったでしょうか。 3番目の仮定の所は、もう少し詳しく書くべきでした。 口頭では言ったのですが、 整理して板書しないと、 ごちゃごちゃになってわかりずらかったと思います。 結構重要なところだったので、もっときちんと説明すべきでした。

7.の「輸送方程式」は、便宜上私が勝手につけた名前で、 他の教科書にはおそらく載っていません。 その一般的でない名前を表題にするのは不適当ですね。 上の「やった事」では、括弧で「不可逆過程の現象論」をつけましたが、 こちらを表題にする方が分かりやすいです。 ポイントもプリントの目標に載せた4点以外に、 「不可逆過程の理解」というのも入れるべきでした。

今年は輸送方程式の導入をランジュバン方程式と無関係にやりましたが、 どうだったでしょう。 昨年は、非線形ランジュバン方程式のランダム力を取ったものとして、 導入したのですが、 それだとオンサーガーの仮定が分かりにくくなるので、 ランジュバン方程式とはこの段階では独立にしました。 それより、不可逆過程に重きをおいて説明しました。 その方が「物理的な意味」という点でも良いし、 説明もすっきりしてやりやすいです。 来年もこの方法でやろうと思います。

不可逆過程を考えてもらうために指名しましたが、 かなり詳しく説明してくれました。 確かに不可逆過程という語は熱力学で正確に定義されているので、 熱力学を勉強している人は誰でも詳しく説明できるわけですね。 私は単に「ある一方向の変化しか起こらない」 という答えを期待していたので、びっくりしました。 しかし、「外部の変化」については今の場合でも問題になるので、 厳密に答えようとなると、 「外部に何の変化ももたらさずに逆方向の変化はない」 というのが正しいです。 その点はもう少し説明すべきでした。 「外部の変化」が輸送方程式にどうか関わってくるか、 説明した方が分かりやすかったと思います。

それにしても不可逆過程の説明は少しひつこかったですね。 似たような図を何枚もかきました。


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