1999年度 前期 大学院非平衡物理学

アンケート(その二)の結果

大変時間がかかりましたが、ようやくアンケートの集計が終わりました。 ここで、謹んでアンケートに協力してくれた人達に感謝致します。

講義は、大学院向けで、4月19日から9月13日まで、 毎週月曜の午前中にやりました。 以下に示すアンケートの結果は、11月23日現在の結果です。 随時更新するつもりですので、提出されていない方は、 まだ提出されても結構です。

集計結果の後に書いてあるのは、アンケートにあった意見です。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。

1. 所属している専攻(回答者数 10)

1:凝縮系科学(物理) 2:凝縮系科学(化学) 3:基礎粒子系科学 4:生物科学 5:その他
6 1 1 1 1
凝縮系の化学コースと基礎粒子系の人が少ないのは驚きましたが、 レポートを出された方はもっと多かったので、 単にアンケートには答えなかっただけのようです。 5:その他は、何処の専攻の方だったのでしょうか。

2. 講義のレベル(回答者数 10)

1:低すぎる 2:少し低い 3:適当 4:少し難しい 5:難しすぎる
0 0 4 5 1
化学の数学レベルと物理の数学レベルに大きなギャップを感じました。 夏休みに物理数学を勉強し、理解できるようになりました。
1回目のアンケートに比べ、4:少し難しいの割合が増え、5:難しすぎるが出てしまいました。 後半の方がいろいろ工夫したつもりなので、ショックです。 前半に比べ、題材が難しかったせいかも知れません。 数学はどうしても講義の中心になりがちなのですが、 やはり物理的な理解の方が重要なので、数学的な理解が無くても前に進める様、 工夫が必要だと痛感しています。 数学のために講義が分からなかった方がおられたら、申し分けありませんでした。

3. 講義の進度と内容 (回答者数 10)

1:内容を少なくしてもっとゆっくりして欲しい 2
2:進度は速くして内容を多くして欲しい 0
3:適当 8
非平衡物理学を勉強するきっかけとなるには適当である。
大体、適当と答えられた方が多かったのですが、2人だけゆっくりして欲しいとの事でした。 後半は特に式がたくさん出てきて、もう一つ丁寧に説明できなかったかも知れません。 少し減らして、ゆっくり説明した方が良かったでしょうか。

4. 説明 (回答者数 10)

1:非常にわかりにくい 0
2:わかりにくい 1
3:普通 2
4:わかりやすい 4.5
4:とてもわかりやすい 1.5
5:結果に対する考察が足りない 1
5:結果に対する考察の説明が速すぎる。 0
アンケートを作り損ねて、4と5が2つになってしまいました。 特に電子メールで答えて頂いた方は、4を選んでおられ、どちらか分からなかったので、 0.5づつ分配しました。 大体わかりやすいと答えてもらいましたが、 2:分かりにくいと5:結果に対する考察が足りないが一人づついました。 やはり、結果に対する説明をもっとゆっくり丁寧にするのが良かったのかも知れません。 内容を少し減らす必要があるのでしょうか。

5. 板書 (回答者数 10)

1:多い 0
2:少ない 0
3:適当 6
4:わかりにくい 1
5:わかりやすい 2
6:記号が一貫していない 0
7:記号の区別が付きにくい 1
8:添え字が小さい 0
9:間違えが多い 0
10:式の説明を板書して欲しい 1
漢字を間違う。
適当が圧倒的でしたが、幾つか不満もあったようです。 来年の参考にさせてもらいます。

6. 各講義について(回答者数 10)

1:とても難しい 2:難しい 3:適当 4:簡単 5:簡単すぎた 6:興味が持てた 欠席
5. ブラウン運動I(Langevin方程式、FP方程式)(6/7) 0 2 5 0 0 2 1
6. ブラウン運動II(第2種揺動散逸定理)(6/14) 0 3 4 0 0 2 1
7. ブラウン運動III(一般化されたLangevin方程式)(6/21) 0 3 5 0 0 1 1
8. ブラウン運動の微視的導出I(森公式)(6/28) 0 3 4 0 0 1 1
9. ブラウン運動の微視的導出II(非線型Langevin方程式)(7/5) 0 3 4 0 0 1 2
10. 静的ゆらぎ(7/12) 0 2 3 0 0 1 4
11. 不可逆性の起源(9/13) 0 3 3 0 0 4 0
全般的に少し難しかったようですが、前半の輸送方程式や久保公式よりは、 ましだった様です。 11. 不可逆性の起源に興味を持ってくれたのは、嬉しいです。

7. プリント(回答者数 10)

1:細かい計算をプリントにしてくれたのは良かった。 4
2:計算だけでなく説明もプリントにして欲しい 5
3:プリントの量が足りない 1
4:量が多すぎる 1
5:量はちょうど良い 0
プリントを作ったのは、大体良かったようです。 計算だけでなく説明もプリントして欲しいというのが、5人もいますが、 説明は板書する方が記憶に残りませんか。 しかし、板書に精一杯になってしまい、考える暇がなくても困りますし、 難しいところです。 いずれにしろ、プリントを作る手間との関係もありますが。

8. 宿題(回答者数 8)

1:宿題をプリントにして出してくれたのは良かった 7
2:宿題の量が足りない 0
3:宿題の量が多すぎる 0
4:宿題はやらないので無駄 1
5:成績評価の対象にして欲しい 0
宿題をプリントにしたのは、人気がありました。 一人だけ無駄と書いてありましたが、来年は、宿題を成績の判定に使おうと思っています。

9. 具体例(回答者数 9)

1:前半に比べて増えた 2
2:前半と同じかそれ以下 0
3:もっと具体例を増やして欲しい 1
4:記号が具体的に何を意味しているかわからない 1
4:今のままで良い 5
4:今のままで良いが最も多かったですが、これは設問が悪くて、 以前と比べてどうだったかが知りたかったのです。 一応、以前と比べて具体例が増えたと答えた人が2人もいるので、 努力は認められたという事でしょうか。 ただ、もっと増やして欲しいとか、記号の問題を挙げている人もいるので、 やはり、具体例は、今後の課題です。

10. 説明して欲しかった(回答者数 9)

1:量子力学 2:(平衡系の)統計力学 3:解析力学 4:特に必要ない
1 5 2 3
前回は量子力学は0でしたが、今回は一人いました。 後半はほとんど量子力学を使っていなかったと思いますので、 アンケートに答えてくれた人が違ったのでしょうか。 統計力学と解析力学を説明する時間はおそらく無いので、 次回は、勉強していなくても分かる講義に挑戦しようと思います。

11. 物理に偏り過ぎ(回答者数 9)

1:他分野の関連をもっと話して欲しい。 3
2:テーマをもっと物理に絞って欲しい。 0
3:今のままでちょうど良い。 6
元々化学系なので、少し、物理は難しく感じた.
他分野の関連を聞きたいと思っている方が、3人おられましたが、 次回は、具体例として、他分野との関連に触れていきたいと思っています。 実際、化学現象に対しては、特に凝縮系に応用され、 大きな成功を収めています。 これは素過程が物理と同じ例ですが、生態学など素過程が違う場合でも、 ランジュバン方程式やフォッカープランク方程式等の応用があります。 また、最近は、経済等への応用もあるらしいので、 考えてみようと思っています。

12. 他の授業と比較して

解答無し。

13. 総合的に (回答者数 9)

1:非常に不満 2:不満 3:まあまあ 4:満足 5:非常に満足
0 0 4 4 1

前半に比べて満足が増えたので、嬉しいです。





感想、意見、希望など

問11にもありますが、他分野との関連をもう少し紹介して頂きたかったです。 しかし、この講義をうけることが物理数学や物理学の一般的な事柄を勉強するきっかけとなりましたので、満足しています。
具体例と関連して、他分野への応用例を挙げれば良かったのでしょうか。 レポートで、具体的に応用した例を挙げて欲しかったのですが、結局他の分野への応用はあまりありませんでした。 授業で、応用例をもっと説明すれば良かったと反省しています。
講義の最初に目標・目次があるのが良かった。 また、各理論・公式・定理がどのように関連しているかを表したチャート図は、 全体を見通す手助けになり役に立った。
良かった点を挙げて頂いて、ありがとう御座います。 チャート図は、最初書いていませんでしたので、 全体が見通せず分かりにくかったと思います。 どうもすみませんでした。 次回やる時は、最初から書いていこうと思っています。
・難しい
・応用を知りたい。
講義がわかりにくかったら、申し分けありませんでした。 他のアンケートの結果を見ても、特に後半、内容を減らして、 説明に時間をかけるべきでした。 応用についても、ほとんど触れる事が無く、反省しています。 次回はもう少し触れていこうと思っています。
プリントを配っていただくようになってから、落ち着いて講義の内容を考える事が出来るようになりました。 とてもわかりやすい講義でした。
誉めて頂いて、有り難う御座います。 プリントは、当初、板書を写す方が覚えるかなと思っていましたが、 やはり、板書を写す時間を理解に振り分けてもらえて、良かったようです。 私も、授業の進め方について、勉強になりました。