質問と回答 (採点対象) 追加 2

第2回 (4月19日) --->第4回 (5月10日)

5月17日に「5月10日分の質問」として提出してもらったものがありましたが、 内容を見ると、2回目の授業の時に出した宿題についての質問でしたので、 4月19日分の追加として回答します。

という風に、最初書いたのですが、ご本人から抗議があり、 「4月19日に出題した宿題は返ってくるのが、5月10日なので、 17日よりは早く質問できない」!! 確かにそうですので、最初に書いてもらったとおり、 5月10日分の質問にします。 ということで、採点も変りますので、ご注意下さい。

ホームページで公開不可、とは書いてなかったので、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問. (採点結果: 7 点)

授業の質問ではないのですが、5/10に返却された宿題の中に、 分子の振動の分配関数を古典的に求める問題がありました。 問題中にあったハミルトニアンを用いて、
(式省略)
という式になったのですが、 r の積分が実行できませんでした。 返却された宿題には、 r の積分範囲を (マイナス無限大, プラス無限大) と考えるよう書いてありましたが、なぜ (マイナス無限大, プラス無限大) になるのでしょうか? 自分は分子間の距離 r が振動すると思っているのですが、 そうなると、分子間の距離が負になるのはおかしい気がするし、 プラス無限大までいくと、もはや粒子は結合していないと思うのですが。 ちなみに r の積分範囲を (マイナス無限大, プラス無限大)とすると、
Z(T,V,1) = (省略) = (πkBT/h)(2μ/k)1/2
となりますか。

これは、全く私の間違えです。 申し訳ありません。 まず、 r を原子間の距離と書きましたが、それは間違えで、平衡の位置からのずれです。 そうすると、マイナスになっても良いことになりますが、 原子同士がめり込むことはないので、最小値が存在します。 それを -r0 とすると、積分の範囲は、(-r0, プラス無限大)になります。 プラス無限大でも良いのは、ポテンシャルが無限大になることで、 原子がバラバラにならないことが考慮されているからです。 最小値については、kr02/kBT が充分多ければ、積分の下限をマイナス無限大に置き換えることができます。 その仮定があって初めて、答えが出せます。 正解は、 ここに あります。 上の答えで正しいです。

直接ポイントに触れていない質問をどう採点するか、悩みましたが、 以下のようにしたいと思います。 つまり、1つの質問につき3段階で評価して、それぞれ 0,1,2 と採点する。 ただし、全部で5点は超えない。 今の場合、すばらしい質問だったので、最高点の2点です。 さらに、 採点する質問について にある「採点の基準」の「3.重要な点で間違えを指摘」に相当するので、 2点プラスで4点ですが、実はこの方は、以前に同じ日の質問をされているので、 3点プラスできません。 さらに、期限が切れているので、6がけの四捨五入で、 2点です。

という風に、最初書いたのですが、 冒頭にも書いたように 5月10日分の質問にしたので、4+3=7点にします。


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