質問と回答 (採点対象) 追加2

第4回 (5月10日)

この授業は質問を採点の対象にしています。 詳しくは、 ここを 見て下さい。

7月16日に追加の質問が出ました。

ホームページで公開不可、とは書いてなかったので、掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


質問. (採点結果: 2点)

授業ノート2の2ページ目に解説してある、ボーズ粒子とボルツマン粒子の違いにつ いての質問です。 例えば2個の粒子に対しての微視状態を数えるとき、ボルツマン粒子では2個の粒子 を入れかえた状態と、 もとの状態の2つの状態をそれぞれ区別して2!で割って数えます。それに対し、 ボーズ粒子では 量子力学の持つ、重ね合わせの原理という性質により、2個の粒子を入れかえた状態 と、もとの状態を 合わせた状態を1つとして教えます。 ここでボルツマン粒子で粒子に番号をつけて区別したのなら、2つの状態も区別さ れると思うのですが、 どうしてそれを2!で割るのでしょうか?

確かにおっしゃる通りです。 人によっては、カノニカル分布ならば、粒子数の階乗で割る必要はないという人もいます。 確かに、古典力学しかない世界では、粒子数の階乗で割るのは、 統計力学の枠内では説明できません。 粒子は古典力学では区別するので、割る必要はないのです。 熱力学を考えれば、相加性を満たすためには必要ですが、それもN!ではなくて、 NのN乗で十分です。

しかし、量子力学で求めておいて、プランク定数を 0 にする極限を考えると、 必要になってくるのです。 つまり、古典力学だけで良いやあ、という人はN!は要りませんが、 量子力学と滑らかにつながってほしいと思う人は、必要なのです。 実際、私が学生の頃は、「古典力学は間違いなので、N!で割らなければならない」 と教わりました。

ただし、これらは全てカノニカル分布の話で、 グランドカノニカル分布の場合は、全然違います。 グランドカノニカル分布の場合は、粒子の区別が必要だから、N!で割らなければなりません。 その辺りの詳しいことを知りたい人は、またコーヒーでも飲みにきて下さい。




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