頂いた本の2冊目です。
「神様のいた日」は、私が好きな先品の一つです。
伝えたい事がはっきりしていて、それがきちんと伝わって来ました。
そう言う作者が強烈に伝えたいと思う事にである事が、
小説を読む醍醐味なんだと思います。
ただ、高校が舞台というのが少し私には分かりませんでした。
1冊目もそうでしたが、高校が舞台のが多いのは、
やはり皆さんが最近まで高校におられたからでしょうか。
「ほしくず」。
独特の雰囲気のあるお話でした。
改行をたくさんするのも効果をあげていますし、
この雰囲気を極めるとどんなことになるのでしょうか。
「スランプ」は、短いけれど印象に残る作品でした。
このかたの長いのも読んでみたいです。
「ふたつの月がのぼる」は、とても文章が上手な方だと思いました。
読み切りではないし、こういう作品には私が慣れてないのもあり、
よく分からない部分もありましたが、続きを読みたいと思いました。
「バスのはなし」は、優れたアイデアで、とても面白かったです。
それぞれの話も内容が豊かで、特に侑子さんの話を別に長く読みたいと思いました。
「夜汽車」、「ほったさんの肖像」。
どちらかと言えば、「ほったさんの肖像」が好きですが、
どちらも独特の雰囲気で面白かったです。
「ほったさんの肖像」の方が、伝えたい事がはっきりしていて、
そしてそれが私の好みにあっていました。
短いけれど印象に残る作品ですね。
「赤ずきんちゃん」。
これも読んでいて楽しかった。
おそらく文章が良く書けているからだと思います。
意外なストーリーというわけでもなく、
登場人物も童話から取って来ているようだったので、
やはり文章が良かったわけです。
特に会話が生き生きしていて良かったです。
「CAKE」。
今回は本当にいろいろな方がいろいろな作品を書いておられますね。
これも、食べ物の描写が特別な効果を持っている不思議な作品です。
書いている方も洋菓子が好きなんでしょうか。
ここまで細かく描写されると、びっくりです。
そしてそれはとても成功していました。
「珈琲色ロマンチクス」。
これは、読み切りというよりも、連載と言う感じで、まだ続きそうでした。
したがって、1つだけ読んでもよく分からない部分がありましたが、
設定が終わって後半は面白かったです。
でもやはり、なぜ日本ではないのか、その必然性が私には分かりませんでした。
それでも文章が読ませるので、引き込まれる作品ではあります。
「夜色のさかなと群青の朝」。
悲しいはなしですね。
詩のような雰囲気を持った小説がこれ以外にもいくつかありましたが、
これはストーリーも分かりやすくて読みやすかったです。
病気がとても不思議な病気なので、作者の才能を感じます。
同じ病気でもっと長い小説も読みたいです。
すみません。
頂いておいて、文句を言うのはおこがましいのですが、
出来れば表紙はあまり可愛くない方が地下鉄で読みやすいです。