第9回 (12月26日)



やった事

3. BBGKYヒエラルキー
  (2) 導出 (つづき)
  (3) 物理的な意味
4. デバイ・ヒュッケル近似
  (1) 電解質のイオン濃度依存性
  (2) YBGヒエラルキー
  (3) ヒエラルキーの切断
  (4) デバイ・ヒュッケル近似 (途中)

目標

3. BBGKYヒエラルキーとは何か、多体問題の困難を理解する。 具体的に次のことを分かる。

4. YBGヒエラルキーと、 そのヒエラルキーの切断することで得られる デバイ・ヒュッケル近似を理解する。 さらに、電解質のイオン濃度依存性の不思議さを実感する。 具体的に次ぎのことを分かる。


反省

(1)電解質のイオン濃度依存性のところで、 展開できる場合と出来ない場合の話をしました。 そこの説明が曖昧だったので、質問がでました。 もう少し、きっちり説明すべきでした。 すみません。 まず、展開の意味をはっきりさせないといけません。 というのは、無限まで展開するのと、有限で打ち切るのでは、 意味がかなり変わるからです。 高階微分まで全ての微係数が存在しても、濃度が収束半径を越えれれば、 無限まで和を取ると発散してしまいます。 漸近展開のように有限の和で良い近似を与えるというだけでよいのであれば、 収束半径が0であっても展開できるといえます。

そういう不正確さはあったものの、 電解質の奇妙さがかなり実感できたと思います。 奇妙かどうかは、人の主観によるので、難しいのですが、 イオンの濃度を小さくするとルートが出て来るというのは、 理論的には普通でないわけです。 というのは、理論ではべきで展開するのはよくやるからです。 しかし、もう少し電解質の背景を説明すれば良かったですね。 電解質と言うのは最近のソフトマターの研究でも注目されているようですし、 タンパク質にも重要な影響を与えます。 そういう所を説明すると物性らしくなったかも知れません。

Kirkwoodの重ね合わせ近似は、全体の流れの中でどういう意味があるのか、 もう1つ説明し損ねたようです。 ここを説明しているときは、皆分かっていると思ったのですが、 後でその物理的な意味をやるときに分かっていなくて、ショックでした。 もう少し時間をかけて説明すれば良かったですね。 後で分かってもらっても良いとは思いますが。

最後の重ね合わせ近似の後、プリントの(23)式までが速すぎました。 他の所よりほぼ倍の速度で進んでしまいました。 ちょっと速すぎて分かりにくかったと思います。 済みません。 アンケート でもプリントは、速すぎるとの意見があったので、今後気を付けます。



戻る

吉森明のホームページへ