2003年度 第15回 液体の化学夏の学校

アンケートの結果

まず講義を聴いて頂いただけでなく、アンケートにも答えて頂いたことに、 感謝いたします。 有難うございました。

以下に示すアンケートの結果は、最終日に集めた分だけです。 まだ、締め切っていないので、提出されていない方は、 電子メール、ファックス、郵便、どんな方法でも良いので、 送って下さい。 アンケート用紙は、 ここにあります。

集計結果の後に下線を引いてコメントを書きました。 その下に書いてあるのは、アンケートにあった意見です。 ホームページで公開不可、としたものは無かったので、 全員掲載しました。 (掲載に関して間違っていたら至急連絡して下さい。) 下線の上に私の回答があります。


1. レベル(回答者数 31)

1:難しすぎる。 2:少し難しい。 3:少し低い。 4:低すぎる。 5:適当。
1 6 3 0 21

圧倒的に「5:適当。」が多いので安心しました。 しかし、「2:少し難しい。」が全体のおよそ2割を占めているので、 適当よりはほんの少し難しかったようです。 一応、実験系の大学院生にもわかるようにといわれたので、 頑張ったのですが、まだ努力が足りませんでした。 しかし、名実ともにプロの人が結構いて、あまり簡単にし過ぎると、 その人達は退屈してしまうので難しいです。


2. 進度と内容(回答者数 31)

1:内容を少なくして もっとゆっくりして欲しい。 4
2:進度は速くして内容を多くして欲しい。 12
3:進度内容ともに適当。 15

「3:進度内容ともに適当。」が半数いきませんでした。 「2:進度は速くして内容を多くして欲しい。」が多かったのですが、 時間が足りなくなっていくつか大事なところを省略してしまったので、 少なくとも、そういうことが無いようにすべきでした。 説明する点としない点を考えて分けて、 もう少し効率を上げれば良かったです。


森方程式を導出するプロセスが少し速かったように思います。 実は質問したかったのですが、 P+Q=1のPとQが具体的に何なのかつかみかねました。

森方程式の導出が講義のメインの1つなので、 ここが早くなったのは失敗でした。 ごめんなさい。 この部分は、勉強した人には繰り返しでつまらないかもしれませんが、 少し違う観点で説明すれば、 面白く聞けるはずなので、もうちょっと頑張れば良かったです。

それから、Pは、その直前に詳しく説明した射影演算子です。 かなり具体的に説明したつもりですが、 質問は、何に射影したか、 その部分空間を具体的にもっと説明して欲しいということでしょうか。 確かにそこは、大切な部分なのに、説明が足りなかったかもしれません。


(ちょっとだけ)

この方は、「2:進度は速くして内容を多くして欲しい。」 に丸を付けてコメントしてくれています。 あまりはやくすすむと、困るということでしょう。


Dyanmic Structure Factoreと、 実験との関連がもう少し知りたかったです。

今回は、実験との関係がほとんど話せませんでした。 やはり皆さん実験している人も多いし、理論をやっている人でも、 実験を意識するのが普通なので、実験がまったく出てこない話は、 変に思われたでしょう。 でも、たまにはこういう話も浮世離れしていて良いのではないかと思い、 こういう構成にしました。 もちろん、 決して理論的な研究に実験が必要ないというつもりはありません。 当然ながら、実験はとても大事です。 それは、物理も化学も同じです。 講義で強調した「考えること」という観点でも、 実験が考えるきっかけになるわけで重要です。


やらせでない仮定の部分の証明が省略だったのが少し残念でした。

確かに今となっては、私も時間を取って、 きちんとやるべきだったと思います。 オリジナルの計算だし、準備している段階では、 説明するのはかなり時間が必要だと思ったので、 最初からあきらめていました。 どの教科書にも書いてない事だし、 学生の方には何の勉強にもならないだろうと思ったのですが、 実際はプロの人もいるし、やれば面白かったですね。 準備が終わったときには、簡単に証明できる方法も思い付きました。 とにかく、「2:進度は速くして内容を多くして欲しい。」 ということは、単純に内容が足りないというよりも、 余計なことがことが多くて、 肝心なことが省略されているということのようです。 もっと内容を厳選して、重要なところを詳しく説明すべきでした。 すみません。


3. 内容 (回答者数 31)

1:もっと実験の話が聞きたかった。 2
2:基礎よりも応用が知りたい。 1
3:最新の研究の話が聞きたかった。 6
4:理論が化学現象にどう使えるか知りたかった。 6
5:もっと基礎的な話が良い。 5
6:今回は適当。 17

過半数の人が「6:今回は適当。」を選んでくれました。 しかし、「3:最新の研究の話が聞きたかった。」と 「4:理論が化学現象にどう使えるか知りたかった。」 がそれぞれ6人ずついました。

確かに講師を引き受けた時点では、 最新の研究の話をしようかなとも思いましたが、 実験系の大学院生の人にもわかるような話を頼まれたので、 いきなり理論の先端の話をしても、まったく駄目でしょうから、 とりあえず基礎の話は不可欠だったわけです。 基礎から始めて最後に最新の話まで持っていくという構成も考えたのですが、 参加者名簿を見ると、 「液体化学は、初めてなので、どんな研究がされているか見てみたい、」 という動機の人も多数いたわけです。 そこで、個別の話に入る前に、 全体の話をした方が良いだろうと思いました。 私自身の研究は液体化学の典型ではないので、 私が研究している最新の話をしてしまうと、 結局液体化学は何なのかわからないまま、 終わってしまう恐れがあったのです。 そうすると、やはり、最新の研究の話は時間的に無理でした。

「4:理論が化学現象にどう使えるか知りたかった。」についても、 やはり話が個別的になるので、難しい問題があるわけです。 しかも、「使える」事について、詳しく説明し出すと、 結局、計算機シミュレーションの方が使えるジャンということになるので、 そもそも、何の為に理論的研究があるのか、 ということを強調したかったのです。 もちろん、実験について先に書いたのと同じ理由で、 計算機シミュレーションも重要だと思いますが、 あまり現象の出てこない話もたまにはいいかなと思い、 このような内容になったのです。

もし、期待外れの内容でありましたら、それは、まったく私の責任ですので、 お詫び致します。 申し訳ありませんでした。

3と4は、ある程度予想できたのですが、 「5:もっと基礎的な話が良い。」が5人もいるのは驚きでした。 しかし、あれ以上基礎的な話をするのは、 「液体化学夏の学校」では無理でしょう。


相反定理、揺動散逸定理、線形応答理論等

これは、私のホームページを見て、 九大での授業の内容を書いてくれたのでしょうか。 これら、1つ1つは、液体化学の重要なテーマになりますが、 それらを網羅的に浅くやるよりは、 1つのことを詳しく説明する方が良いかなと思い、 今回は、森理論だけに絞りました。 しかし、この3つのテーマでも液体化学の関係で、 面白い話は一杯あるので、お金と暇があったら九州に聞きに来て下さい。


全体量がもっと多い方が良い。

今回の講義の量は、1人分としては、限界だと思いますが、如何ですか。 講師が慣れた方で、上手な方であれば、 もっとたくさん話す事も出来ると思いますが、 私にはこれ以上準備をするのが大変です。 物理関係の夏の学校ではもっと講師が多いので、 それにならって講師を多くすると、 内容量を多く出来るかもしれません。


4. 計算の詳細 (回答者数 31)

1: 計算の詳細はもっと省いて良い。 0
2: もっと詳しく説明して欲しい。 4
3: プリントに載せて説明は不要。 7
4: プリントに載せて説明して欲しい。 11
5: 今回は適当。 10

「4: プリントに載せて説明して欲しい。」が最も多かったです。 今回は勝手が分からないこともあり、 計算は基本的には板書でやることにしましたが、 やはり時間の関係で飛ばした所もありました。 特に最後の方は飛ばしまくりでした。 そういう所は、プリントにすれば良かったです。 そうすれば説明も速く済むし、 後で見直すことも出来ます。 九大でやる授業では、最近は細かい計算は全部飛ばして、 宿題にしているのですが、 「1: 計算の詳細はもっと省いて良い。」 が0だったのは驚きました。


5. プリント(資料) (回答者数 31)

1:もっと多い方が良い。 8
2:もっと少ない方が良い。 0
3:板書をもっとプリントにして欲しい。 10
4:今回で適当。 16

かろうじて「4:今回で適当。」が半数越えました。 まあ、板書するのは大変なので、 「3:板書をもっとプリントにして欲しい。」 の人気は高いかなと思っていましたが、過半数いかなかったのは、 やはり、ある程度計算は黒板でゆっくりやる方が良かった、 ということでしょうか。


時間がなくて 講義できないところは最後にでもプリントとして配布して欲しい

まったくそのとおりです。 すみませんでした。 今回の講義は、準備の時に予想した速度で進んだので、 時間がなくて説明できないところもある程度、事前に分かりました。 その分をプリントにすれば良かったです。


式の導出のところとか

この方は、「1:もっと多い方が良い。」に丸をつけてコメントしています。 やはり、最低でも省略したところはプリントにするのが良かったです。 省略しないところでも、メインの式変形はプリントでやると、 板書の時間が省けるので、良かったと思います。


板書中心は良かったと思います。

ありがとうございます。 九大での授業の経験で余りプリントを多くすると、 寝てしまう人が多いのです。 また、夏の学校に来る人がどれくらい計算に慣れているか、 分からなかったので、 計算は板書でやるのが良いかなと思い、そうしました。 しかし、上でも書きましたように、省略した部分については、 プリントにすれば良かったです。


6. 今回の資料で良かったもの (回答者数 31)

1:自己紹介。 6
2:目次。 7
3:各章ねらい、ポイント。 23
4:参考文献。 17
5:特にない。 0

「3:各章ねらい、ポイント。」が1番多かったです。 私自身は、「4:参考文献。」が目立つので、 「4:参考文献。」が1位かなと思っていたので、意外です。 やはり、ねらいを最初に書いて置くと、授業を聞く方も良いようですね。

「4:参考文献。」は、羅列し過ぎて良くなかったですね。 もう少し初心者にもわかるように整理すれば良かったです。 すみません。


7. 今回の資料に無いもので載せて欲しいもの (回答者数 31)

1:計算の詳細。 15
2:図表。 7
3:説明。 8
4:特にない。 3

「1:計算の詳細。」が過半数にはなりませんでしたが、1番でした。 既に何度も出てきましたが、 特に、時間が無くて説明できなかった計算をプリントにすれば良かったです。


今後の展開の方向

溶液の動的理論全体については、それなりに説明したと思うのですが、 載せて欲しいと思われたのは、森理論の今後の方法でしょうか。 森理論も「考える」ということと関連して、現在面白く展開しているので、 また機会があれば、お話します。


advancedな部分

講義で説明した先の部分をプリントにして欲しいということでしょうか。 しかし、皆さんがどういうことに興味を持っているかわからない段階で、 進んだ内容をプリントにするのは、少し勇気が要ります。 ただ、森理論以外にも射影演算子を使った研究はいくつかあるので、 それを文献としてあげれば良かったかもしれません。


8. 各章について

1:とても難しい 2:難しい 3:適当 4:簡単 5:簡単すぎた 6:興味が持てた
1.講義の目的 0 1 21 1 0 13
2-1 現在までの大まかな流れ 0 2 20 2 0 11
2-2 残された問題と展望 0 1 21 1 2 10
3 線形ランジュバン方程式 1 3 18 5 1 2
4-1 射影演算子 2 3 17 7 0 3
4-2 リュービル演算子 4 2 22 1 0 4
4-3 森方程式 3 8 18 0 0 5
5-1 一般論 2 11 15 0 0 7
5-2 液体での導出 2 12 12 0 1 5
6 溶媒和ダイナミックスへの応用 3 12 9 3 0 4

「4-2 リュービル演算子」は、説明を失敗しました。 しかも、「ここは、深いところです。」と注意をひいておきながら、 私自身の考えが浅かったです。 申し訳ありませんでした。 私自身が理解していなかったので、皆さんも混乱しました。 「1:とても難しい」が「4-2 リュービル演算子」で最も多いです。

しかし、「2:難しい」を含めた数をみると、 「4-2 リュービル演算子」よりもそれ以降の方が多いです。 つまり、「1:とても難しい」と「2:難しい」を合せた数は、 「4-3 森方程式」からそれ以前に比べ数がおよそ倍になっています。 やはり後半は計算を省略することが多かったせいでしょうか。 けれども、「4-3 森方程式」は省略せず計算は丁寧にやったつもりなので、 考えられるのは、 皆さんが射影演算子の計算が慣れていなかったということです。 練習問題をいくつかやると良かったでしょうか。

「6:興味が持てた」は、最初の3つが多いです。 実は、「2-1 現在までの大まかな流れ」と「2-2 残された問題と展望」は、 当初予定していなかったのですが、先に書いたように、 参加者名簿を見ると 「液体ははじめて勉強するので、どんな研究がされているか概略が知りたい」 という方がおられたので、付け加えました。 森理論しか話さないと「液体化学」とはどういう分野なのか、 さっぱりわからないからです。 しかし、プロの人も何人か来られていて、歴史なんかは、 私より詳しく、その人達にとってはそんな話は、 退屈だったかもしれません。 でも、あわせて21人もの人が興味を持ってくれて嬉しいです。


§6でもう少し詳細な話がききたかった

化学の教科書をみると、時々原理から入らずに、 いきなり応用から説明してある場合があります。 そういうのに慣れている人は私の講義はつらかったかもしれませんね。 「6 溶媒和ダイナミックスへの応用」は、 さすがに現象の話をまったくしないのは、 そういう人達が困ると思って付け足したので、 説明は全然足りませんでした。 そこで説明したBagchiの理論は、本質的には、 講義でやったものと同じですが、 実験やシミュレーションにあうのは、 独自の工夫があるからで、そこを説明するのは、講義ではきびしいです。 全体の流れから浮いてしまうし、独特の技術も必要なので、 それを説明すると違うテーマといっても良いくらいです。 と、言い訳ばかりで申し訳ありませんが、そういうことですので、 お許し下さい。


出てきた方法の簡単な説明があれば良かったと思います。

これは、「2-1 現在までの大まかな流れ」のところに、 「 2:難しい」を選んでコメントしてくれた方です。 たしかに「2-1 現在までの大まかな流れ」は、何の説明もなしに、 キーワードだけ並べた感じになってしまいました。 特に(1)80年代までは、手法で分類したので、 余計分からなかったと思います。 すみませんでした。


9. 説明 (回答者数 31)

1:説明がわかりにくい。 0
2:少しわかりにくい。 1
3:普通。 1
4:わかりやすい。 15
5:とてもわかりやすい。 13
6:具体例が少ない。 4
7:式は追えるが概念的なことが分からない。 1
8:全体の流れが分かりにくい。 0
9:化学的な意味をもっと説明して欲しい。 7
10:式の導出を丁寧にして欲しい。 2
11:結果に対する考察が足りない。 0
12:声が小さい。 8

「4:わかりやすい。」と「2:少しわかりにくい。」 をあわせた人数で、回答者をほとんど占めます。 たくさんの方が私の説明を評価してくれているようで、うれしいです。 有り難う御座いました。

「12:声が小さい。」のは、九大の授業でも時々指摘されるので、 気を付けなければ、と思っているのですが、やってしまいましたね。 大事なところは大きく高い声で、 メリハリを付けて話すのが良いのですが、いざ前に立つと緊張して、 なかなか出来ません。 講義中、説明が聞こえない方がおられましたら、お詫び致します。 すみません。

その次に多かったのは、「9:化学的な意味をもっと説明して欲しい。」 でした。 これはうっかり、選択肢に加えてしまいましたが、 「化学的な意味とは何か?」という難しい問題があります。 「7:式は追えるが概念的なことが分からない。」が1人しかいないことから、 概念的なことという意味ではなさそうだし、 やはり、化学現象との関係ということでしょうか。 「6:具体例が少ない。」を選んだ人が4人いるので、 具体的な現象との関連がはっきりしないという意味なのでしょう。 講義の内容を森理論の基礎から説明するとした時点で、 結局、残りの時間をどう使うかという問題です。 液体のダイナミックスの理論を全体的に概観するか、 森理論と化学現象との関係を説明するか、 2つに1つの選択でした。 もっと慣れた人なら両方含める事も出来たのでしょうが、 私には無理でした。 すみません。

「9:化学的な意味をもっと説明して欲しい。」で、もう1つの反省は、 「やらせの仮定」は良くないと強調して、 かわりに導入した「やらせでない仮定」がどういう意味を持っているのか、 あまり説明できなかったことです。 これをもう少し準備して、きっちり説明できれば、 理解するということがどういうことなのか、 私の主張がもう少しはっきりしたと思います。 今のままでは、導入した仮定の意味がさっぱり分からないので、 やらせをなくしても、その御利益がわからず、 考えても無駄ジャンということになりかねません。


教官主導でもっと進めて良いと思います。 とても丁寧だったと思います。

大学院生ぐらいの人からもっと質問してもらって良いと、 思っていたので、要所要所に質問の時間をとりましたが、 質問するのはプロの人ばかりでした。 今から思えば、懇親会の時にでも、もっと授業のことを聞けば良かったです。 「教官主導」というのは何を指すのか難しいですが、 この質問を待つ姿勢が良くなかったのでしょうか。


f =ρ <-- 重要な関係なので

この方は、「10:式の導出を丁寧にして欲しい。」に丸を付けて、 コメントしてくれました。 この式は、 おそらく森方程式の内積の定義のところに出てきたものだと思います。 これは、既に何度も反省しているように、時間配分をもっと良く考え、 時間中に証明すべきでした。 また、どうしても時間が足りなくて出来なければ、 プリントに書いておくべきでした。 どうもすみません。


10. 講義の方法 (回答者数 31)

1:板書が多い。 2
2:少ない。 0
3:適当。 29
4:板書の時が字が大きすぎる。 0
5:字が小さすぎる。 0
6:OHPを使って欲しい。 0
7:PCを使って欲しい。 0

圧倒多数が「3:適当。」でした。 「6:OHPを使って欲しい。」や「7:PCを使って欲しい。」 を選んだ人はいなかったのが、ちょっと意外です。 しかし、内容が内容だけに板書でやるのが良かったようです。


γ(がんま)が∂(ぱーしゃる)に見えたので始め混乱した

それは本当に申し訳ありませんでした。 時々ギリシャ語が見え難い時があるので、気を付けているのですが、 またやってしまったようです。


ホワイトボードの方が見えにくかった。

これはまったく気付きませんでした。 角度によって見えないのでしょうか。 申し訳ありませんでした。

そもそも、黒板小さかったのは、計算外でした。 黒板が大きければ、ホワイトボードを使う必要も無く、 そういう問題もなかったのでしょう。 しかし、これは、事前に見ることが出来ない以上、 誰にも解決できない問題ですから、仕方ありません。


11. 総合的に (回答者数 31)

1:非常に不満 2:不満 3:まあまあ 4:満足 5:非常に満足
0 0 1 21 9

いつも、大学の授業の後は必ずアンケートを取り、この質問をするのですが、 「4:満足」と「5:非常に満足」の合計は、大体いつも半分ぐらいで、 多くても8割ぐらいです。 それが、この夏の学校では、ほとんどの人がこの2つを選択していて、 感激です。 皆さん、来た甲斐があったと思ってくれたようで良かったです。 これは私1人ではとてもうまくいかなかったと思いますので、 皆さんの協力に感謝致します。 有り難う御座いました。

それでも不備な点があったと思いますが、 アンケートを参考にして、私自身も勉強させてもらいます。 「夏の学校の達人」と呼ばれることを目指して頑張ります。 また、機会があったら皆さんとお話出来ることもあるでしょう。 その時を楽しみにしています。 もし、九州に来ることがあったら是非連絡して下さい。


だけど難しいのでもっとやさしくしてほしかった。

この方は「4:満足」に丸を付けて、コメントしてくれました。 しかし、今までコメントしてきたアンケートの結果をみると、 内容を簡単なものにするよりも、厳選して、 詳しく説明するのが良いようです。 もっとプリントを活用して、 限られた時間でもポイントを完全に理解してもらえれば、 易しいと思われたでしょう。





感想、意見、希望など

ありがとうございました。 おつかれさまでした。
こちらこそねぎらいの言葉をかけて頂いて、有り難う御座います。 実は、夏の学校の講師をするのは始めてなので、 かなり緊張したのですが、「11. 総合的に」で大変良い評価をもらい、 とても嬉しいです。 私は、講義の成功は聴く方の努力も不可欠だと思っていますので、 皆さんの協力があってこその評価だと思います。 本当に有り難う御座いました。
とても興味深い話をどうも有り難う御座いました。 更にadvancedなtopicsを聞きたいです。

興味深い話になって良かったです。 ただ、やっぱり後悔しているのは、 最後に導入した仮定の意味をしっかり議論できなかったことです。 ここがしっかり出来れば、更に面白い話になりました。 これは私の準備不足が原因です。 申し訳ありません。

「advancedなtopics」については、是非九大に来て頂ければ、 いくらでもお話します。 またもし、名古屋方面にお住まいであれば、9月の終わりか10月に、 名古屋大学で集中講義をします。 詳しくは多分メーリングリストに載せますので、注意していて下さい。


主さい側の問題ですが、 講義時間がもう少し長い方が良かったと思います。
いや、これ以上講義したら、私の方が大変です。 ちょっと勘弁して欲しいです。 ただ、時間割としては、2日目のリクレーションの時間は、 本当に必要なのかという問題はあると思います。 もっと長い期間があれば、そういう時間もあって良いかも知れませんが、 3日しかないのに、むしろ私としては、 夜の講義は無くして欲しいです。 また、私以外の発表もありましたが、 それらももう少し長い方が良いと思うこともありました。 来年の参考にしてください。
大変参考になりました。 ありがとうございました。

いやいやこちらこそ、勉強になりました。 講義の仕方や資料の作り方、内容についてもリュービル演算子など、 いかに自分の理解が浅いか良く分かりました。


液体の理論は、まったくの初心者でしたが、 非常に丁寧な講義のおかげで、今後、自分で勉強していく とっかかりをつかめたような気がします。 本当にありがとうございました。

皆さんにお礼を言われると、 もう少しきちんと準備すれば良かったと後悔しきりです。 森の理論は液体の理論と言うよりは、 非平衡現象を扱う数少ない理論です。 平衡系の液体の理論は、また独特のものがあるので、 そちらも勉強されると良いと思います。


motivationが明瞭な非常によい講義でした。

御褒め頂いてありがとうございます。 何にしてもmotivationと言うのは本当に大事だと思うので、 発表の技術という以上に全面に出してみました。 勉強は楽しくない人が多いので、楽しくないものをなぜやるか、 そこをしっかりしないと勉強する意味が無いのだと思います。 特に理論を講義するには、そこをはっきりさせないと、 本当に無駄になってしまいます。 いずれにしろ、今回は発表の技術という点でも色々勉強になりました。


久しぶりに(4年ぶり位)、 私の「分かるということ」 の意義に近い意義をお持ちの方の議論を受けることができて、 少年に返ることが出来ました。 現在化学専攻ですが、やっぱり物理の方が面白いですね。

それは大変光栄です。 しかし、本当は、化学も自然科学の1分野である以上、 「分かる」という意味は、物理と同じだと思うのですが、如何でしょう。

今の自然科学は、ヨーロッパが起源のある一定の「考え方」で、 研究を進め、それなりの成果を挙げてきていると思います。 その「考え方」がいつも万能だとは思いませんが、 自然科学でこれだけ成功している以上、 それなりに便利なところがあるのでしょう。 しかも、現代社会を生きていく上でもその「考え方」が役立つと、 私は思うのです。 最近、社会に対する貢献ということがよく問題にされますが、 私は、液体化学は、そういうところに、社会貢献をしていかないと、 滅んでいってしまうと危惧しています。 つまり、1部の産業界にしか役立たないような研究で勝負するのは、 この分野はやはり不利なので、もっと基礎研究で勝負して、 「考え方」で社会貢献するのが最も大事なことだと思うのです。


方程式の導出でどこに任意性が残っているかよくわかった。 これをきっかけに勉強をはじめたいと思います。

森理論でネックになるのはやはり任意性だと思うのですが、 その事を強調してある教科書は少ないようです。 しかし、任意性がどのようにつぶれるか、特に内積の話を、 メインにしたのですが、結局、 やらせでない仮定の意味するところをきちんと説明できなかったので、 中途半端になってしまいました。 かえすがえす残念です。 半分ぐらいは言いたいことが伝わったと思うので、 これから勉強される時にも少し心の隅においてもらえると嬉しいです。


3日間かけてやっと"やらせ"という言葉の意味が 少しわかったような気がします。

「やらせ」の仮定というものをもう少し考えて、 最初に簡単な例を挙げれば良かったですね。 いきなり出てきたので、あまりにわかりにくく、 皆混乱してしまったようです。 すみませんでした。 でも、とりあえず、最後には少しわかってもらえたので、良かったです。


ゆっくり進んでもらって理解が十分深められた。 問題点がはっきりしていて良かった。

事項を1つ1つ確かめながら、ゆっくり進んだのは、 皆さんに「考える」時間をつくるのが大きな理由の1つでした。 考える間もなくただ詰め込むやり方は、 「洗脳」する時の常套手段と言われていて、そういうことからも、 考えることの重要性がわかると思います。 だから、皆さんに考えながら聞いて欲しくて、ゆっくりしたのですが、 もう慣れた人達には、退屈だったかもしれません。 その辺が夏の学校で難しいところです。


丁寧なご説明、ありがとうございました。 講義に完全に付いて行くことはできませんでしたが、 ダイナミックスに対して興味を持つきっかけになりました。 (これまで、ダイナミックスには全く関心がありませんでした) 参考文献から、さらに勉強していこうと思います。 おつかれさまでした。

温かいお言葉有り難う御座います。 「2-1 現在までの大まかな流れ」で、 平衡系の問題はほとんど解決されたかのように言ってしまいましたが、 高分子やコロイドや界面などの複雑な系や低分子でも相転移などが、 面白い問題として残っています。 しかし、それに比べてダイナミックスは、未解決の問題が多すぎて、 茫茫とした荒野にいるような感じです。 それは、理論が少ないというのが1つの原因だと思うのですが、 森理論はその数少ない理論の1つです。 しかも、他の理論の基礎になるものなので、 基礎なんかどうでも良いやという人には関係ありませんが、 基礎から勉強したい人にはまず勉強してもらう大事な理論だと思います。


受講者のレベルの問題で、個別には理解の及ばない点もありますが、 全体の流れは、初めての者でも最後まで興味深く聞くことができました。 非常に良かったです。 ありがとうございました。

おほめのお言葉本当に有り難う御座います。 当たり前ですが、どんなものでも面白くないとつまらないですからね。 準備した時考えたのは、 私の話が実際の研究や仕事に役立つ人はきっといないだろうから、 「興味深い」話をするしかないということです。 ある程度うまくいって良かったです。


ふだん、あまり"考えていない"ことがよくわかりました。 たいへん興味のもてる内容であったと思います。 ありがとうございました。

考えることの最も良い点は、だまされ難いということですが、 それ以上に、退屈しない点も素晴らしいと思います。 考えるだけであれば、何時でもどこでも出来るし、道具も何も要りません。 ただ、考えることが楽しいと思えるかという問題はありますが。 私の話で少しでも考えることは楽しいことがわかって貰えると嬉しいです。

最後まで聞いて頂いて私の方こそ御礼を言わなければなりません。 有り難う御座いました。


拡散の話でよくLangevin方程式の話は聞きますし、 大学院の講義でもその話しはありました。 今回の講義で再確認でき、 さらに深く考えるきっかけが見出されたように思えます。 ありがとうございました。

皆さん、コメントの最後に「ありがとうございました」とついているので、 感激しています。 Langevin方程式については、 基礎的な話から深い話までまったく講義では出来ませんでした。 それらの話がわかっていると、森理論の凄さがよりわかるのですが、 液体では使えないので、割愛しました。


講義ご苦労様でした。 たいへん勉強になりました。

黙って聞いている方も結構たいへんだったと思います。 休憩のとり方もあまり上手に出来なかったので、 もし、疲れてしまったら、申し訳ありませんでした。 私の方こそ良い勉強になりました。 ありがとうございました。




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