- 日時:2013年11月6日(水) 16:00~
- 場所:九州大学箱崎キャンパス理学部2号館第一会議室(2154室)
- 講演者:中川 尚子 氏
- 概要
1993年にゆらぎの定理が発見され、非平衡系の微視的ゆらぎの一端が明らかにされた。 これにより、非平衡系の巨視的性質を微視的レベルから積み上げて研究するための 門戸が一つ開かれた。本講演では、熱伝導系に代表される非平衡定常系に焦点をあて、 ゆらぎの定理を利用して熱力学関数や熱力学関係式を拡張した結果について報告する。 とくに非平衡定常系に外部操作を施すために要する仕事が、平衡系への操作による ポンピング効果や線形応答関係の破れに結びつけられること、さらにJarzynski等式 および第2法則の非平衡定常系への拡張などを報告する予定である。