2004年度前期 統計力学II 授業の反省



  • 今回は、はじめてということもあり、 内容をどれくらいのレベルにして良いか分からず、難しすぎた。 したがって、内容を精選し、例を踏まえて詳しく説明すべきだった。

  • 1日単位の目標をできるだけ絞り、 それだけは分かるように準備すべきだった。 とにかく今回は、目標が難しく、欲張りすぎたので、 ほとんどの人がついてこれなかった。

  • 授業の組立ては、当初、説明->例題->類題->宿題を考えていたが、 皆がわかっているとしていたことが案外分かっていなかったので、 説明に時間が取られ、類題はほとんど出来なかった。 目標に応じて、説明と例題を有機的に組み合わせる必要がある。 また、授業中に問題を解いてもらう場合でも、 出来るだけ簡単な問題でないと解けない。 解答を授業中にするのは時間的に無理なので、 回収してTAの人に添削してもらうのが良い。 いずれにしろ、その日の目標に到達するのに最も良い方法を考えるべきだ。

  • 統計力学Iは、教科書の7章をきちんと理解している人が少なかった。 もう少し担当者と相談すべきだった。 1時間取って説明したが、来年も必要だろう。

  • 量子力学の授業との整合性が問題だと思う。 最低限、スピンは、統計力学IIが始まる前に終わっていて欲しい。 同種粒子の量子力学も出来れば終わっている方が望ましい。 角運動量も詳しくやるのは量子力学IIらしいが、 これは私の考えでは、必修の範囲に含めるべきだ。

  • バーチャルラボラトリーの使い方が、うまくいかなかった。 目標を達成するためには、どうすれば良いかという観点で、 使い方を良く考えるべきだった。

  • 板書はもっと多く書いても良かったようだ。 符号などの細かいミスをなくすべきだった。 教科書に載っている式は、省略したが、きちんと書いて欲しいと アンケート(その一) に要望がでた。 重要事項は、口で言うだけでなく、板書して欲しいというのもある。 アンケート(その二) には、板書のスピードを問題にした人がいたが、 これは難しい問題で、徒に速くすれば良いというものでは無い。 板書を速く書き上げ、皆の様子を見て進めるのが良いようだ。

  • プリントについては、図を載せて欲しいという人が アンケート(その一) に多くいたが、 アンケート(その二) では、少なかった。 できるだけ図は、プリントに載せるのが良いようだ。

  • 宿題は、効果的だったようだ。 ただ後半は、提出する人が減るので、TAの仕事を考える必要がある。 それから、後半は、問題を 2 つにしたが、どちらしろ、 成績の評価にはしなかったので、多くしても問題はない。 最も改善すべきだったのは、問題の難易度にむらがあったことで、 前半が酷く、後半は少し改善されたようだ。

  • 宿題の解答は基本的には配布せずに、 wwwで取れるようにするのが良い。 配布してしまうと自分で解かなくなってしまうので、 wwwに載せてすこしでも手間が必要な方が良い。 しかし、必ずwwwに載せるようにすべきだ。

  • 予備日は、質問の時間にしたが、 難しい所をもう1度説明する方が良かったかも知れない。

  • ホームページは、見ている人が多数なので無駄とは言えないようだ。 ただ、まったく見れない人や、 見れても印刷できない人がいることを考慮すべきだ。

  • 質問を成績の評価にしたのは割と良かったようだ。 多くの人が出してくれた。 ただ、毎回解答するのが大変で、 あまりに時間が取られ、授業の準備をする暇がなくなってしまった。 そこで、かなり厳しく評価したが、 評価を甘くするかわりに、 電子メールでしか受け付けないとすれば、かなり手間は省けたはずだ。

  • 質問の回答は時々配布したが、紙の問題もあるので、少し考えた方が良い。

  • 成績の評価は、最後に一括して試験をするだけでなく、 何か他の方法を考える方が良い。 中間テストと小テストが考えられるが、 中間テストが今回と同じ手間で、効果的かもしれない。 小テストは、アンケートでは、それほど嫌がる人がいなかったので、 実際やれば効果的だと思うが、採点が大変だし、授業時間が取られる。

  • 教科書の扱いをもう少し考えた方が良かった。 すくなくとも、最初にどのように扱うかを明示すべきだった。 授業中でも、今説明しているのが教科書の内容なのか、 違うのかをはっきり言うべきだった。

  • 個々の内容では、7章の復習がわかりにくかったようだ。 当初予定していなかった内容で、しかも、難しいので、説明を失敗した。 よっぽど工夫しないとだめだ。 特に宿題を例題として授業中に説明し、別の問題を宿題にすべきだった。

  • ボーズ-アインシュタイン凝縮は、極端に難しかったようだ。 これは、説明の仕方というよりも、内容のレベルが高すぎた。 統計力学IIの内容を逸脱している。 もっと、大事なことを絞れば、説明も分かりやすかったと思う。


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