2004年7月の技術日記


Jul.1,2004 (Thu)

気が付いたら6月が終わっていた。あわただしくいろいろなことが過ぎていったかな(詠嘆)。特に後半。

X31のHDD容量不足

購入してから半年ちょっとが経ったところで、X31の残りHDD容量が1割を切った。ちょっとペースが速すぎる。まだ4GByteあるとはいえ、研究や仕事で数GByteのデータはは当たり前なので、一時的にデータを写して持ち歩くのにも不自由する事態になった。一昔前なら数Gbyteは広大な領域に思えたのに。

調査

もとは40GByteあるのだけども、リカバリの情報やOSやアプリケーションなどで、データとして使える領域は最初から20GByteを切っていた。調べてみたところ現在の20GByteの使い道は以下のよう。

  • 4GB : 仕事用データ
  • 3GB : 音
  • 3GB : cygwin, tex, java開発環境, フリーのツールなど
  • 2GB : 自分で撮影した写真
  • 2GB : メールや文書や開発中のソースコード
  • 1GB : 良く使うインストーラー(J2REなどのインストーラーなど)
  • 残り : その他のデータ(ホームディレクトリ)やプログラム(Program Files)

飛びぬけて巨大なフォルダが無いので、手早く「大きいものから整理して要領を確保」とは簡単にはいかない。逆に言うと、無駄が少ないといえるのかもしれない。

とりあえず、当面の容量を確保するために整理してみる。「写真」以外は良く使うので消すわけには行かない。「写真」は経験上あまり参照することは無いので、これを外付けハードディスクに移すとしても、2GByteしか確保できない。その他一時ファイルや復元用のデータ領域などを削除することで6GByte程度まで空き容量を回復。

現在の自分の使い方としては、やはりメインマシンとして40GByteは少ないことを実感する。特に仕事と研究で扱うデータの容量が急速にでかくなって来たことと、必要なソフトが少しずつ増えてきたことが原因らしい。ホームディレクトリや音の使用容量が増えるのはしょうがない。

HDD換装?

個人的には80GByteのものに乗り換えたいのだけれども、X31では簡単に出来そうも無いらしい。というのが、HDDにリカバリーの情報やバックアップなどのツールが隠しパーティションに入っているので、それもひっくるめて移すべきなのだけれども、普通のバックアップツールではコピーできないらしいから。ThinkPad X31 リカバリ領域の保存&復旧(@紫色のなにか)で詳しくコピーの方法が書かれているが、大変そうなのでまとまった時間が取れないと出来そうに無い。

ということで、おとなしくリカバリCDを送ってもらって、Norton Ghost でゴーストダビングでもしようかなと計画中。

USB扇風機3

やっぱり連続稼動は難しかったらしい。羽が変形して重心がずれたのか、かなり大きな振動が発生するようになった。音も無視できないくらいうるさくなって、さらにこのまま稼動させると変形が進行して自壊する恐れがあったので運用を停止。購入から1ヶ月も持たず、扇風機は夏本番を前にして終了。

やはり連続運用はCPUやケースファンだろうということで、別のソリューションを探す。

Jul.9,2004 (Fri)

依然大変。終わりそうに無いというか、方々に「遅れています。すみません。」と説明して回るだけで1日が過ぎてゆく毎日。出口がふさがっているかもしれない。

m3000

Plantronics m3000(@MyHeadset.jp) を入手。身の回りの無線化を進めている自分としては、ぜひ手に入れたかったBluetoothヘッドセット。日本ではぜんぜん出ていなかったので、海外の通販で買おうとしていたところだった。懲りずに某天神BC店に注文を出したところ、1週間もしないうちに入荷。今度はがんばったらしい。

大きさ的にはUSBメモリ程度。重さはその辺の有線ヘッドセットと変わらないくらい。耳に引っ掛ける部分が細くて痛そうだと思っていたのだけれども、長時間つけていてもそれほど痛くない。ただし、見た目ヘッドホンと同じくらいの大きさとはいえ、常時これを付けて外を歩くのはやっぱり抵抗がある。

A5504Tと早速つなげてみる。Bluetoothの謳い文句どおり、箱を開けて5分で接続完了。操作も簡単。すばらしい。いろいろ遊んでみると、見通し10mくらいは離れても通話可能。音質はそれほど悪くないが、距離が近くても電話との位置によってはかなりノイズが入る。また、ノイズキャンセラーはかなり風に弱いらしく、自転車で疾走している時は「ぼうぼう言って聞こえにくい」らしい。

ノイズやぼうぼうは可動範囲が縛られない無線の心地良さに比べたら問題ない。もともとヘッドセットは電脳通信みたいで大好きだったので、無線になっただけでも気分が良い。線も気にせず、両手自由な状態で電話が出来るという幸せ。目下の不満点はヘッドホンで音楽が聴けないことなので、この調子で無線で音楽も電話も出来るヘッドセットが早く一般発売されるように期待してみる。

メールの振り分けとmorg

メールの整理は悩ましい。一般的に、Fromなどで詳細に振り分けて保存する人と、分類はせずにそのまま時系列で管理をする人がいる。

MLなどは分類が行いやすい。また、お知らせなどのメールもそのままFromで分類が出来る。しかし個人の場合はFromで一律に振り分けを行うと、MLとの関連や複数人での議論が分かれてしまう。また組織や所属で分けても必ず複数の所属の人がいるもので、これもまた分類が難しい。

時系列管理の場合はある程度議論は連続するが、スレッドにしたり、MLやある関心についてまとめてみたいときにはその都度切り出しの操作が必要。一般的に切り出しは検索などで行うが、手間がかかるので気軽に行えない。

自分の現状は、個人のメールについては大まかな組織や関心で分けて、MLやお知らせなどはFromで自動振り分けということにしている。ある程度大まかな分類方式は成功しているのだけども、やっぱりMLに関連した個人の議論がばらばらになってしまう。一度、時系列管理とNamazuによる切り出しを試みたのだけれども、切り出しの結果が「Namazuで全文検索しました」という感じで、自分の思い描いた切り出しの用途に使えなかった。努力が足りなかったのかもしれないけれど、他にあんまり例が無かったのであきらめた。

メールの分類についてはGmailもいいらしいけども使ったことが無いので良く分からない。

Matzにっきで連載中のmorgは非常に自分が求めているものに近い。検索で何もかもやってしまおうというメールツールで、フロントエンドがEmacsというのもおいしい。ということで、完成まで楽しみに待ちたいと思う。

Jul.17,2004 (Sat)

日に日に状況は悪化する一方。

からさわぎに参加

時間が無いのに情報収集。Seasar日本発の「世界最先端」,オープンソース軽量コンテナに熱い視線(@IT Pro)などでかなり騒がれている軽量コンテナ。IoC(DI)、AOP、軽量コンテナなど流行の言葉で固められていながら、必要な機能が使えて簡単で使いやすいという秘密を探るのが目的。

からさわいだ結果、思っていたもの以上であった。最初に周辺の文書を読んだときには、J2EEのCMPやトランザクションを使いやすくしたのがメインで、DIやAOPはおまけみたいなものだという印象を持っていた。しかし、実はそうではなくてSeasarの実体はあくまでダイコンとAOPだけ。その他はおまけでしかない。

何で単なるダイコンがそんなにすごいのか。IoC(DI)はSeasarだけの話ではなくて、汎用性をある程度削れば自分でも実装できるし、ロバストネス分析もやっている人はやっている。AOPや、プレゼンテーションフレームワーク、ORマッピングも今に始まったことではない。Seasarがすごいのは、それらを賢く簡単にまとめられるように出来ているところ。とにかくプログラマの面倒を無くすように出来ていて、覚えることも制約も少ない。

そしてもっと重要なのが、そのダイコンの拡張性を生かす哲学や設計開発手法。むしろORマッピングやトランザクションは霞んで見える。世間でSeasarを使って仕事がうまくいっているのは、Seasar自身の威力ではなくて、Seasarと一緒に用いた設計手法による効果が大きいのではないかと思った。

以下メモ。

  • OGNL:XMLにテキスト以外の値表現を持たせるライブラリ
  • SeasarのAOPは限定されていて、一般的なAOPよりは先が見えやすい。(ただし、依然爆弾であることには変わりない)
  • 必要な図はロバストネス分析+αだけでよい。UMLはいらない。
  • OO分析・設計は業務に向かない。(単に設計が悪いだけでないかという議論もあるかも)
  • 例外はBで処理。特別のことをしたいならBに近いCで拾うのが良く、AOPが使える。
  • ロバストネス分析図で顧客レビューをすると話が早い
  • Cの設計でCRCを使う。Cはステートレスであるべき。
  • ゴウコン=号泣コンパイル

なかでも、「UMLを書くような人は賢すぎる。一般人に理解できない抽象論は意味が無い。必要なことは、普通の人がきっちり予算・期限内に仕事を終わらせること」という主張は耳が痛い。

しかし、集まったメンバーがすごい。いつもの福岡のメンバーという話も。

Jul.23,2004 (Fri)

(後日記)

HDD換装前

残り数百MByteというところまでハードディスクにデータを入れたところ、Windowsがおかしくなった。
症状としてはExplorerの右クリックで、メニューが出るまで数10秒。「マイコンピューター」のハードディスクを右クリックすると1分以上考えたままになってしまった。これは使えない。

そのうち、何かのソフト(多分バックアップ用のソフト)を立ち上げたところで、「デフラグしろ」と言われる。そこで、デフラグしようとすると「容量が足らん。15%以上は空けろ。」

40G * 0.15 = 6G (!)

CD-RもDVDも使えないのでネットワーク経由で10G程度を移動。デフラグ実行。しかし、Windowsは治らない。ここでハードディスク換装を決意する。

予定としては、以下のよう。

  • 80Gのハードディスク(新HDD)を入れて、リカバリCDで一度Windowsをインストール
  • 一度元のハードディスク(旧HDD)に戻して、 Norton Ghost でクローンコピー (旧HDD→新HDD)
  • 新HDDでブートすると、容量倍増で環境もそのままコピーされてウマー。

しかし、今回のトラブルも忙しいときに重なってしまった。とりあえず家のLinuxでメールが見れるようにXやSylpheedを設定。

Jul.26,2004 (Mon)

(後日記)

HDD換装中

3日間がんばった結果、自分の要件にはNorton Ghostは役に立たなかった。以下作業内容。

80Gの新HDDでリカバリ。微妙に問題があったものの、ここまではいつもうまくいく。

次に40Gの旧HDDパーティションから、USB2.0で繋いだ新HDDの80Gのパーティションにクローンニング。ファイル単位のコピーが行われている。ちょっといやな予感。新HDDでブートさせるとやっぱりWindowsは起動しない。

またリカバリからやりなおして、今度は新HDDに旧HDDと同じサイズのパーティションを作って、旧HDDをまるごとクローンニング。こんどはクラスタ単位でコピーされている。しかし、新HDDではWindowsは起動しない。

今度は無駄を承知で、80Gの新HDDに40Gの旧HDDをまるごとクローンニング。40Gしか使えない新HDDができたのであるが、やっぱり起動できない。やっぱりハードディスクのサイズが違うとだめなのか。

Windows 2000/XPのイメージを復元後、またはクローン先のWindowsの起動に失敗する(@symantec) を参考に、いろいろな組み合わせを試してみるも失敗が続く。

不毛な作業に疲れ果てる。クローンが駄目だという事は、バックアップしてもリストアできないことを意味しているように思う。Ghostは自分(X31)にとって役に立たないことが分かった。やっぱりIBM謹製のバックアップツールでないとだめなのか。

結局新HDDにリカバリして、自分で環境を移動することにする。大半のソフトやデータはコピーして終わりなので難しくはないであろうと思われる。

Jul.28,2004 (Wed)

HDD換装後

手動でなんとかデータと環境の移動が完了。大方完了した後で、IBMの System Migration Assistantを思い出す。これを使えば環境の移動がもっと楽だったかも。

いろいろあったものの、元の環境に戻ってWindowsもさっぱりして一安心。新旧HDDのスペックは以下のよう。

旧HDDは非常に静か。回転音もヘッドのシーク音も全くと言ってよいほど聞こえない。一方、新HDDは回転音はしないものの若干振動が感じられる。また、シーク音も多少カリカリいう。しかしそれほど気にするほどでもない。

回転数やバッファ容量の違いからか、多少新HDDの方が動作が速い気がする。Windowsがさっぱりしたせいかもしれない。

MyDocumentの移動

MyDocumentなどのアクセス制限がかかっているディレクトリは、そのままでは他のWindowsに繋いでも読めない。Linuxなら mount -t ntfs 〜 でマウントすれば何でも読めるのだけども、Windowsはそうもいかない。以前の所有者情報が残っていて、それが今の自分と違うことが原因らしい。

ということで解決法は、右クリック「プロパティ」→「セキュリティ」→「詳細設定」→「所有者」のところを自分にして、「サブコンテナとオブジェクトの所有者を置き換える」をチェックするとアクセスできるようになる。



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桜井雅史: E-mail : m.sakurai@cmt.phys.kyushu-u.ac.jp
Web page : http://www.cmt.phys.kyushu-u.ac.jp/~M.Sakurai/